訓練やるぞ ページ42
体育祭で少し浮かれ気味な学校が終わり、帰宅。
午後の演習でもうくたくた…。
そんな私の前に、天使ではなく、悪魔が現れた。
「訓練やるぞ、A」
私の兄である。
なんなの、お兄ちゃん。
プロヒーローの癖に暇なの？仕事ないの？
「いやだぁぁー、私はまだ、昨日残しておいたゼリーを食べておらんのだー」
「そんなの後で食えるだろ」
「無慈悲」
制服の首根っこを捕まれ、稽古場に引きずられた。
ああ、私のおやつ…。
「はよ着替えてこい」
「はーい」
練習着に着替えて稽古場へ。
「じゃあ、とりあえずやるか」
「うん」
最初に一本手合わせ。
そのあとは、間合い、技の修正、そして個性の制御。
花以外も『覚醒』するらしいから、用心しろって言われた。
そんな４つも『覚醒』したら私の体がもたないってば。
…そういえば、ミスティ元気かな、最近会ってない。
「ボーっとしてると、やられるぞ！」
「うわぁっ！」
しまった、稽古中だった。
最近、新しい技を考えたんだよね。
うまく説明できないんだけど、こう、風の個性で手の周りに…うーん、なんて言えばいいかな。
「風、疾風！」
「おおっ」
やった、成功。
…そうそう、わかりやすくいうと、カマキリみたいな…？
「負けてらんねぇな…、風、韋駄天！」
あ、ヤバイ。負けた。
「どぅわぁっ！」
これだけはどうしても避けられない。
私の負けで、勝負は終わり。
「新しい技、だな？今の」
「うん、かっこいいでしょ。攻撃の幅もひろがるし」
「そうだな…。Aは、まだ韋駄天やってないっけ」
「やってたら避けてるよ」
「フッ…」
ドヤ顔すんな、大人気ないぞ。
「じゃあ、今日は韋駄天の習得と、花の制御な」
「了解でーす」
風の技のひとつ、韋駄天。
簡単に説明しておくと、この技の動きは毎回違って、相手の予想を遥かに超えるスピードで攻撃するらしい。加速よりも速いみたい。まぁ、自分自身で攻撃するから、目を慣れさせないといけないけど。
まず習得するのが難しい。
「韋駄天！」
練習を始めて早１時間半。
もう何回やっただろう。さすがにもうできるはずなんだけど…。
「…って、できた！」
「まだ甘いけどな」
「どやぁ…」
「やめろ」
渾身のドヤ顔。やったぜ。
「はい、じゃあこのまま次にいきまーす」
「ええーっ」
今日も仁科家の晩ご飯は夜中になりそうです。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 45人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ルナ(プロフ) - 鈴木美妃さん» ありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2018年8月6日 7時) (
レス) id: 9d1b105660 (このIDを非表示/違反報告)
鈴木美妃(プロフ) - ファンになりました。早く続きが読みたいです。これからも更新楽しみにしてます。頑張って下さい。応援します。 (2018年8月5日 21時) (レス) id: 6d5e66c80d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ルナ | 作成日時：2018年7月16日 17時
