大丈夫 ページ33
仁科を抑えると言った俺は、緑谷、蛙吹、葉隠、尾白、途中から合流した耳朗とともに、仁科と対峙していた。
目は淡い桃色、周りには膨大な量の花びら。明らかにいつもと違う様子に、思わず動じてしまう。
苦しんでいるのにも関わらず、綺麗だ、と思ってしまう自分がいた。
「仁科、聞こえるか！？」
「…っ、と、どろき、くん…？みん、な…」
「A！」
耳朗が珍しく動揺する。
こうして声をかけている間も、仁科の状態は悪化していくばかりだ。
呼びかけに答えることもままならない。
「仁科さん！負けるな！」
「Aちゃん！」
「う、ううっ…」
あまりの苦しさのせいだろうか、仁科の目から、涙が零れ落ちる。
そのとき、隣にいた緑谷が叫んだ。
「負けるな、Aちゃん！君は今、個性が『覚醒』してる。今回のは、花だ！ムーンライトも同じように『覚醒』したんだ！君のお母さんとお父さんが使った個性なら、Aちゃんも操れるはずだよ！」
その声に応えるように、規模が小さくなっていく。
「…大丈夫、僕たちはここにいる。これから、できるようになればいいんだ」
「大、丈夫…、私も、操れる、操れるように…！」
だんだん、縮小されていく花びらたち。
仁科の表情も苦しみから解放されていた。
「できた…、できたよ…！」
「やった！」
仁科が『覚醒』した個性を制御し、安堵したのもつかの間。
彼女はそのまま倒れた。
「A！」
「反動か！」
「どうしよう、一刻も早く保健室に運びたいけど、まだ敵が…！」
《その心配はありませんわ！》
八百万から連絡が入る。
《つい先ほど、敵を拘束いたしましたの。なので、安心して仁科さんを！》
《みんな、Aちゃんを頼むね！》
すげぇな、あんなデカイやつを捕まえるなんて。
「轟くん、Aちゃんをお願いしてもいいかな」
「ああ」
緑谷に頼まれ、仁科を保健室に運ぶことになった。
仁科をおぶったとき、遠くから、爆豪の罵声と爆発音が聞こえた。
「死ねえええっ！」
廊下を歩きながら先生と話す。
「Aが自分で制御したのか…」
「はい、俺は何もしてませんが」
「出久か」
「あいつの言葉が、一番響いたんだろうな。０か１００のなかで努力をしている奴だから」
「…そうですね。俺もそう思います。ところで、敵の正体を知りたいのですが」
「ああ…」
「さっき八百万から拘束したって連絡来たんで」
衝撃の事実、敵の正体はオールマイトだった。
「ごめんよー！」
ＢＯＯＭ！
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ルナ(プロフ) - 鈴木美妃さん» ありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2018年8月6日 7時) (
レス) id: 9d1b105660 (このIDを非表示/違反報告)
鈴木美妃(プロフ) - ファンになりました。早く続きが読みたいです。これからも更新楽しみにしてます。頑張って下さい。応援します。 (2018年8月5日 21時) (レス) id: 6d5e66c80d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルナ | 作成日時：2018年7月16日 17時
