そんなの知らない ページ32
「Aちゃん！」
思わず彼女の名前を叫んだ。
私−麗日お茶子−を含めて全員が、何がおきているのか理解できなかった。
Aちゃんの目はピンク色に変色し、周りにはたくさんの花びらが舞っている。
「仁科くんは、一体…？」
「危険…ケロ」
いつもと違う姿に、不安を隠せない。
いくら敵がいるからって…って言うか、敵もびっくりしちゃってるし。
《１年Ａ組、全員よく聞け》
聞きなれた仁科先生の声。
《Aの個性は『覚醒』する。ナチュラルヒーロー ムーンライトを知っているなら、彼女の個性も知っているはずだ》
「そうだ、ムーンライトは、個性が『覚醒』したときがあった、と生前言ってた！」
隣のデクくんが思い出したように言った。
《だが、Aの場合、今の状況ではその膨大な力を制御できる可能性が低い。つまり、個性が暴走するかもしれないんだ》
《できればでいい。Aを一旦戦闘から離脱させろ。無理な場合は俺が止めに行く》
了解。怖いけど、クラスメートがピンチだもん。
《まずはAちゃんを優先しよう！敵を引き付けて、その間に誰かがAちゃんを抑える》
《どうやってAを抑えるの》
《あ…》
どうする…。
《俺が放電する！》
《アホ化するから却下》
耳朗さん辛辣…。
爆豪くん、会話に入らずにずっと敵と戦ってるわ。
爆発音めっちゃ聞こえる。
《俺が抑える》
轟くんが静かに言った。
《じゃあ私たちは、敵を引き付ける、轟くんの援護、どっちかに回ろう！》
私が指示しちゃったけど、これでいいのかな？
「上鳴、敵に向かって放電」
「え！？いま！？」
「いいから」
上鳴くんが敵に向かって放電。
案の定アホ化した。
「ウ、ウェ〜イ…」
「結構効いてるじゃん」
「レシプロバースト！」
飯田くんがエンジンで加速して相手に一発。
常闇くんはダークシャドウに攻撃を指示。
私は…。
「あ、あんなところに！」
コンクリートの柱。
この前の、やってみようかな。
「…彗星ホームラン！！」
「ソンナモノデ、僕ガ倒セルトデモ！？」
砕かれた。
この人、やばい。
「コンクリートを砕くなんて…！」
強い、みんながそう思ったときだった。
「みんな、よく聞いてくれ！この敵を倒せとは言われていない！ただ、足止めをしろと言われたんだ！だから、俺たちは、囮になればいいんだ！無理に戦う必要はない！」
「…そうですわ！」
そっか、そういうことか。
戦わずして、ってね。
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ルナ(プロフ) - 鈴木美妃さん» ありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2018年8月6日 7時) (
レス) id: 9d1b105660 (このIDを非表示/違反報告)
鈴木美妃(プロフ) - ファンになりました。早く続きが読みたいです。これからも更新楽しみにしてます。頑張って下さい。応援します。 (2018年8月5日 21時) (レス) id: 6d5e66c80d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルナ | 作成日時：2018年7月16日 17時
