中３の春の進路希望調査なんて ページ4
「これから進路希望の紙を配るが、」
「どうせみんなヒーロー科だよね」
先生がそういうと、生徒は騒ぎ始める。
隣の席は出久くん、反対側はかっちゃん。
二人とも静かだ。
「俺は高額納税者になる！」
みたいなことを言ってたことしか今は覚えてないけど。
かっちゃんがその後出久くんを罵ったのが許せなかったのは今でも印象に残っている。
「かっちゃん、そんなこと言わないで。」
学級委員だからって良い子ぶんなよ！
そんな罵声が聞こえた。
「良い子ぶってねぇよ！」
しまった。口調が。かっちゃんのせいだ。(人のせいかよ)
でも口が止まらない。
「そんな弱いものいじめするやつが、ヒーローになれるとでも思ってんの！？」
沈黙が流れる。
唖然としてる、みんな。
内心なれるって思ってるでしょ。だったら良いや。この際いってやる。
「いい加減にしろよ！正しいことをしようとしてるひとにたいして、そーやってさ、馬鹿にするやつなんかヒーローになれないに決まってんじゃん！」
「私は、雄英高校に行く！絶対に行く！出久くんと一緒に。」
「…っ、Aちゃん！」
「悔しくないの！？ちっちゃい頃に私言ったよね！絶対にヒーローになれるって。今でもそれは変わらないから。」
「………うん。」
「見返してやろうよ。こんなやつら。それでさ、本物のヒーローに、なろう？」
出久くんが、オールマイトに弟子入り(？)したのは、その後に起こった事件の、さらにその後だった。
私は毎朝、出久くんと学校に行く。幼馴染みだし。
それに、ヒーローの話もたくさん聞けるから。
勉強になるよね。ヒーローを目指す身としては。
「………そう言えば出久くん、なんか変わったよね。体つきっていうのかな、精神的にも。春に比べたらすごく強くなってると思う。」
「そ、そうかなぁ！？あ、あはは！」
「照れてるなぁー？こんのぉー！」
くすぐりの刑だ。朝にも関わらず、元気だなぁ。
私は知っているのだ。出久くんとオールマイトが、秘密の特訓してるのを。オールマイト本人から直々に聞いたんだよね。
「あのとき、Aちゃんが、僕を守ってくれなかったら、ヒーロー、諦めてたかもしれないから。今度は僕がAちゃんを守るんだって思って。」
「それには及ばず！だからね！私を守るにゃ千年早いよお坊っちゃん！」
「じゃあ、千年早いなりに守るからね」
「強気だな！」
私にとっての事件が起きたのは、その夜だった。
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ルナ(プロフ) - 鈴木美妃さん» ありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2018年8月6日 7時) (
レス) id: 9d1b105660 (このIDを非表示/違反報告)
鈴木美妃(プロフ) - ファンになりました。早く続きが読みたいです。これからも更新楽しみにしてます。頑張って下さい。応援します。 (2018年8月5日 21時) (レス) id: 6d5e66c80d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルナ | 作成日時：2018年7月16日 17時
