19羽 ページ21
真弥が困惑して、
俺とプレゼントを交互に見る。
「いい、の?」
「うん!…でもバイトの給料で買ったから、
そんないいものじゃないけど…」
“開けていい?”という真弥に頷けば、
スルスルとリボンを解いて中身を見る。
喜んでくれるかな…
「これ…」
「髪飾りだよ!」
プレゼントは星の飾りがついた髪飾り。
俺はそれを取って、真弥が気にしていた金の髪を隠すようにそれをつける。
「うん!とっても似合ってる!」
「ぁ…
ありがとう、師走くん…」
真弥は少し頬を赤らめて、
恥ずかしげに微笑んだ。
そして何か思い出したかのように、
持っていたカバンから箱を取り出した。
「はい、私からも。
お誕生日とクリスマスプレゼント」
「え!?いいの!?」
「うん」
「開けていい?」
「大したものじゃないから、期待はしないでね」
箱の中には黒に金の刺繍が入った
いかにも高そうな腕時計と
同じく高そうなカードケースが入ってた…
「か、カッコいい…
じゃなくて!え!?本当にいいの!?」
「気にしないで、師走くんへのお礼みたいなものだから」
「お礼!?なんの!?」
すると真弥は俺の手を取って、
ふわりと可愛らしい笑みを浮かべた。
至近距離のそれはズルイ!!
「色んな事を話してくれた、
色んなものを見せてくれた、
私はそれが嬉しくて、新鮮で堪らなかった。
家に縛られて、何も無かった私に師走くんは色んなものをくれたの。」
“だから、そのお礼を兼ねてプレゼントさせて”
その言葉に胸が高鳴って、暖かくなる。
「ありがとう…大事に使うね!」
「うん」
それじゃあ…と行ってしまう真弥…
だけど、俺は咄嗟にその手首を掴んでいた。
きっとこれがチャンスだと思ったから…
「師走くん?」
「真弥…俺…
ずっと、ずっと、最初に会った時から、
真弥の事が好きなんだ!」
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