15羽 ページ17
真弥が妖怪の血を持った人と聞いて、驚いた…真弥の前で思うのは失礼かもしれないけど…俺は妖怪とかそういうものが苦手で、正直、怖い…
真弥がそういう子じゃないってわかるんだけど…なんだろう…本能的な何かが拒否してる…
「そ、その先祖返りと何か関係が…？」
「先祖返りは、始祖と同じ時間に
同じ容姿、同じ性質を持って生まれ、
自然と始祖と同じ運命を辿る。
だから産みの親とは似ても似つかないの」
“母体ってやつだから…”
でも真弥の説明で合点がいった。
真弥と真弥の両親がなんで似てないのか、
なんで他人行儀なのか…全て、真弥が先祖返りだから…
「そして、その先祖返りには始祖の再来と称して、始祖と同じ名前を付けて、敬い大切に育てる事で家が栄えるって言われているの。
だから先祖返りのいる家はどこも栄えていて、
どこも宗教染みているんだよ」
「……じゃあ、真弥は…」
「お察しの通り…ってやつかな…？」
「……」
真弥の言葉に黙ってしまう。
目の前の女の子は先祖返りってだけで
両親からの愛を受けず、育ってしまったんだ…
？なら、使用人の問題は…？
真弥が隠したがっていた金の髪、俺は気になって真弥の方を向いた。
「ねぇ、真弥。
その金の髪も、関係あるの…？」
「！…うん、そうだね。
さっき言った以津真天の伝説…
それにはね、諸説があるの。」
「諸説？」
「以津真天に生える一枚の金の羽。
人間たちはそれを狙って沢山いた以津真天を狩ったそうなの。」
「え！？」
「例え姿を変えようと、人間たちは私欲の為に以津真天を狩り、名声と金を儲けたそう…
先祖返りは始祖と同じ運命を辿るっていう事から、私も狙われたの」
「そう…なんだ…」
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