7m ページ10
今日も今日とて、
朝早く家を出て走る。
「(あー！！
くそ！あのババア好き勝手言いやがって！！)」
「……なー！」
「(何が朝食べなかった分も食べてもらいます…だ！あたしは道具ですか！？違いますけど！？)」
「おー…！き……ー！」
「(何時間も走って何が悪いの！？
確かにオーバーワークはいけないけどさっ！！)」
「おーい！！きりなー！！」
「(だからと言って
そんなにガッチガチに固めます！？)」
「切那ってばー！！」
「固めないよね！！？」
「うえ！？何が！！？」
「うわっ！？郁！？なんで！？」
「さっきから呼んでたよ！？」
「ウソっ！！」
「マジ！！」
ーーーーーーーーーーーー
「ぜー…はー…」
「はっ…はっ…」
あれから、ウソ！マジ！って叫びながら走って
ご近所さんからすっごい怒られて、
その疲れから近くの広場で二人して座り込んだ。
「き、きりな…足、速すぎ…」
「はっ、郁が、遅い、だけでしょ…」
「「はぁ…」」
二人して溜息を吐いて、
あたしたちは顔を合わせると
なんだか可笑しくなって笑った。
「あはは…！」
「ふふ…」
「にしても、切那、
今日はやけに機嫌が悪いね」
「あー…まぁ、嫌な事が…あったからね。
友達にも会いに行けてないし、
ストレス発散がさ、これしかなくって」
「走ることが？」
「そ。
郁ならわかるでしょ？
走ることの気持ちよさ。
それがストレス発散になるんだよ。」
「あー、なんかわかるかも。
気持ちいいよね。走るって」
「うん」
ヒューと風が吹いて、髪が揺れる。
その風に気持ちよくなりながら
大きく伸びをする。
「ん〜っ！今日も風が気持ちいいね。
走るにはちょうどいいや」
「あははっ！そうだね！
よーし！切那！勝負だよ！」
「ほほう？受けてたとうじゃないの！
まっ、あたしが勝つのは見えてるけどね！」
「負けないぞ！
よーい！スタート！」
「あっ！不意打ちズルイ！
待てー！！」
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