検索窓
今日:4 hit、昨日:1 hit、合計:5,988 hit

17m ページ20

「切那」


「ん?」


あたしたちにしては珍しく、
歩いてランニングのルートを辿る。

あたしの心配事も
全て受け入れてくれた郁だけど、
今度は郁が心配事を言う番らしい。
ふふっ、なんだか不安そう。


「……俺、男らしいかな…」


「男らしいよ。
あたしの全てを受け入れてくれた、
お母さんに立ち向かってくれた男前。」


「……俺、普通の家の生まれだよ」


「羨ましいな…
普通に愛されてたんだよね。
愛情一杯で…素敵なご家族なんだろうね」


「……俺、切那に見合ってるかな」


「それは……正直わからない。
でも、あたしを受け入れてくれた郁は、
間違いなく、あたしの自慢の彼氏さんだよ。」


“カッコよくて、勇敢で、
ちょっとヘタレな彼氏さん”

そう付け加えれば、困ったように笑った。
何も心配しなくていい。

一癖も二癖も強いって自覚済みのあたしを、
こうして愛してくれる。
それだけで、あたしは幸せなの。


「俺、頑張って
切那とお似合いになれるような男になるよ」


「えー、今のままでいいよ。
ちょっとヘタレの方が可愛げあるよ」


「男に可愛げあったらダメだろ!?
俺はいつだって切那にカッコいいって思われたいの!」


「……頑張って。
(そう言う時点でカッコいいって思うけどな…
はぁ、あたし、可愛くなれるかな)」


付き合ってまだ半日も経たないあたしたちだけど、
こんなにも好きが溢れてる。

恋を知れば、人は変わるって
誰かが言ってたけど…本当に変わるんだね…

自分が自分じゃなくなるみたいで怖いけど、
……彼が側にいるなら…怖くない…なんてね。


「郁」


「ん?」


「これから、よろしくね」


「うん。こちらこそ」

完走→←16m



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (11 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
9人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:スート | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年10月12日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。