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連勝街道まっしぐら! それぞれの必殺技も板につき、そう意気込み河川敷での練習に励む。しかし、どうもみんな橋の上からこちらをジッと見ている大勢のギャラリーが気になるようで。その中にはカメラのレンズを向けている人も。


「すごいね、何だろうアレ」
「きっと俺たちのファンだ!」


そう言い、目を輝かせる守たち。強豪校にファンがつくのは珍しくない。しかも、ついこの間まで無名だったチームが帝国に勝ち、連勝続きというなら尚更だ。


「そっか、良かったね守」
「ああ! よし、必殺技にもっともっと磨きを掛けるぞ!」


さあ練習再開。と思った矢先、ずっと土手から様子を伺っていた雷門さんが車ごとグラウンドへ乗り込んできた。轢かれそうになった俺を豪炎寺くんが引き寄せる。
驚く俺を余所に、優雅に降り立つ雷門さんが言い放った。


「必殺技の練習は禁止します」


まさかの事態に一同騒然。
どうやら俺たちがファンだと認識したギャラリーの人々は、他の学校の偵察隊らしい。必殺技のデータを盗りに来ているのだと。
豪炎寺くんも気が付いていたようで、雷門さんの意見に賛同する。対戦校に必殺技の研究をされてはまずいと。
「だったら、誰にも見られない場所で必殺技の練習をしよう!」と守が提案するも、そう簡単に誰にも見られない場所が見つかるはずもなく。暫くは必殺技以外の練習をすることになった。







「誰にも見られない場所か、風丸もどこか心当たりない?」
「残念ながら。まあ、そんな都合良くあるとは思ってないさ。Aだってそうだろ? それに豪炎寺も言ってたように、必殺技だけがサッカーじゃない」
「それはそうだけどさ。せっかくみんなの波が乗ってきてるのに」


悲しい。そんな感情は本来なら不釣り合いだろうけど、なんだかそう思えてならなかった。落ち込む姿を見兼ねたのか、風丸が優しく俺の肩を叩く。


「努力は絶対無駄にならない、円堂も言ってるだろ? 期待、しててくれよ」


もちろん俺にな? と悪戯に笑う風丸に気が付けばさっきまでの重しが取れてなくなっていた。

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むた(プロフ) - 星猫さん» 評価ありがとうございます! とても励みになります。 (2021年9月7日 17時) (レス) id: 43b2fdf14a (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - もう一つのpcがしました。初めまして!とっても素敵です!高評価しました! (2021年9月7日 13時) (レス) id: 7d3fe1e696 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:むた | 作成日時:2021年9月2日 18時

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