検索窓
今日:12 hit、昨日:8 hit、合計:4,004 hit

15 ページ15





いよいよ本当に正式にフットボールフロンティアに出場できる。朝から張り切ってる守を見てとうとうこの日が来たんだと実感した。

初戦の相手は野生(のせ)中という、昨年の地区予選決勝であの帝国学園と戦った強豪校らしい。
いきなり強豪校と当たって正直心許なかったが、転校生の土門くんが新しく入部してくれることになった。
以前の中学で戦ったことのある土門くん曰く、野生中は瞬発力、機動力ともに大会屈指で特に高さ勝負で野生中の右に出る者はいないらしい。今ある必殺技も意味をなさないと。
ならば新必殺技だ! と守の一声で特訓が始まった。のは良いが……


「えっと、守? 何これ……?」
「いいかA、俺たちは空を制するんだ!」
「いや、そうだけど。この車どうしたの?」


グラウンドは相変わらず借りられなかったようで、仕方なく部室の隣に駐車されているはしご車を見上げた。守は「古株さんにお願いしたんだ」と笑顔で言ってるが、古株さんは一体何者なんだろう。

まずは高さ、ジャンプに慣れる為、はしごの上から落としたボールを正確に蹴る練習だという。
秋は土門くんの幼馴染だったらしく、彼のことを任せている。春奈ちゃんと目金くんは野生中の情報収集へ向かってくれた。残るマネージャーは俺だけだということで、はしごに乗る。あっ、想像以上に高いかも。


「よし! A、そこからボールを投げてくれ!」
「いくよ、染岡!」
「おう!」


染岡に向かってボールを投げるが、やはり高すぎるのかバランスを崩して背中から倒れ込んでしまう。だが、俺が染岡の心配をする暇もなく、自ら「もう一度だ!」とボールを促す。
そうやって何度か練習をしていると、様子を見に来た古株さんが「イナズマイレブン」という伝説のチームについて教えてくれた。

イナズマイレブンとは40年前、雷門中にあった伝説のサッカーチーム。彼らの強さは筋金入りで、世界を相手にしたって戦えたと言われるほど最強のチームだったらしい。
更に俺を驚かせたことは、なんと守はその伝説のチームの監督、円堂大介の孫ということだ。もちろん、その言葉に守の顔は輝きを増す。


「俺、絶対イナズマイレブンになってやる! じいちゃんみたいに!」


そう立ち上がる守にチームもその気にさせられる。
そんな、意気込んでいるみんなが何だか俺の目には少しだけ眩しく映った。

16→←14



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (10 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
21人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

むた(プロフ) - 星猫さん» 評価ありがとうございます! とても励みになります。 (2021年9月7日 17時) (レス) id: 43b2fdf14a (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - もう一つのpcがしました。初めまして!とっても素敵です!高評価しました! (2021年9月7日 13時) (レス) id: 7d3fe1e696 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:むた | 作成日時:2021年9月2日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。