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後半戦を雷門のキックオフで迎える。尾刈斗中とは1点差、守曰くボールを積極的にフォワードへ回してシュートチャンスを増やす作戦らしい。ところが豪炎寺くんは染岡ではなく、後ろにいた少林にパスを出した。きっと豪炎寺くんは無闇矢鱈と攻める前に、シュートが効かなくなった原因を探りたいんだ。
しかし、その行動を不審に思ったのか少林からボールを受けた半田はノーマークの豪炎寺くんではなく、2人もマークが付いている染岡にパスをする。だがそれは当然、相手選手にカットされてしまった。1年生たちは判断を誤ったと半田に詰め寄る。ああ、もうバラバラだ。


「まずいよ、チームの輪が乱れてきてる」
「きっと染岡くんのシュートが決まらないから、1年生たちは豪炎寺くん頼りなのよ。でも染岡くんや半田くんは豪炎寺くんを信じきれてない」
「このままじゃ相手の思うツボだ」


またしても染岡か豪炎寺くんか、どちらにパスを出すかで争っている。更には豪炎寺くんのボールを染岡が無理やり奪った。味方同士でやり合ってどうするんだよ、ばか。

染岡は今度こそとドラゴンクラッシュを撃つが、前半戦同様に止められてしまった。ショックを受けている染岡だが、落ち込んでいる暇はない。監督の「ゴーストロックだ!」という合図によって攻め込まれてしまう。そして再び監督の不気味な呪文が始まった。みんなの身体が動かなくなり、ガラ空きのゴールにシュートが打ち込まれようとしている。
あの監督が呪文を唱えてから可笑しな事が起こった、ということは、あの呪文に何か秘密が……?


「まーれ、まーれ、まれとまれ……」
「Aくん?」
「A先輩?」
「まーれ、まーれ、まれとまれ……とまれ……止まれ?」


そう呟いたと同時にグラウンドから守の「ゴロゴロゴロドッカーン!」と叫ぶ声が聞こえた。そして守は身動きがとれるようになった身体でゴールを守る。


「やはり。Aさんのお陰ではっきりしました」
「目金くん、どういうこと?」
「これは視覚と聴覚に訴える催眠術だったのですよ」


なるほど。グルグルと変わるフォーメイション、監督の呪文、これらは全て催眠にかける為の罠だったのか。だから守はそれより大きな影響を与えて掻き消す為に叫んだのか。トリックにさえ気付けば催眠だってどうってことない。
さあ、ここからは反撃開始だ。

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むた(プロフ) - 星猫さん» 評価ありがとうございます! とても励みになります。 (2021年9月7日 17時) (レス) id: 43b2fdf14a (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - もう一つのpcがしました。初めまして!とっても素敵です!高評価しました! (2021年9月7日 13時) (レス) id: 7d3fe1e696 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:むた | 作成日時:2021年9月2日 18時

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