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今日はみんな真面目に練習してるだろうか、ほんの少しだけ期待をしながら部室のドアを開ける。するとそこにはゲームや漫画、お菓子を手にしている部員の姿が。まあ、予想はしてたけど。
ドアの前で突っ立っている俺に気づいたのか、染岡が「早く入れよ」と促す。


「守は? また河川敷?」
「ああ、今頃仲良く小学生とサッカーでもしてるんじゃねえか?」
「へえ、みんなどうしてここに?」
「嫌味かよ」


そうやってバツの悪そうな顔するなら素直に行けば良いのに。まあ、この中じゃ染岡が1番素直とは程遠い人物だけど。全く、呆れてしまう。


「どうしてAはそんな円堂に構うんだよ」


毎日毎日、休みの日も円堂に付き合って河川敷へ行ってんだろ? と先程まで漫画を読んでいた半田が俺に視線を移し、眉を顰める。
別に無理して円堂に付き合ってる訳ではないし、河川敷なら俺だけじゃなく、秋も一緒だけど。


「強いて言うなら、サッカーを見るのが好きだからかな?」
「はあ? 何だそれ」


拍子抜け、そんな言葉が似合うように目を見開き、更に安堵したかのように胸を撫で下ろした。
俺は別にサッカーが嫌いだからサッカー部に入るのを躊躇っていた訳ではない。ただ、サッカーをしていた頃の自分を思い出して、違和感を覚えただけだ。でも守はそんな自分でも良いと言ってくれた。受け入れてくれた。だからそんな守に肩入れしてる自分もきっとどこかにはいると思う。みんなにそれを伝える気はないけれど。


「守、フットボールフロンティアに出場したいんだって」
「ああ、さっき本人も言ってたぜ」
「部員が7人じゃ無理だろうけどな」
「俺も勧誘頑張るからさ、力を貸してよ」


染岡、半田。と2人の顔を交互に見つめる。きっと2人だってサッカーをやりたいはずだ。だから入部したんだろうし。


「まあ、やれることはやってみるか」


そう言った染岡は立ち上がり、不安そうな俺を心配したのか、俺の頭に手を置き、掻き回す。その手つきは乱暴だったが、どこか優しかった。
今度こそ期待してもいいのかな、なんて。

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むた(プロフ) - 星猫さん» 評価ありがとうございます! とても励みになります。 (2021年9月7日 17時) (レス) id: 43b2fdf14a (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - もう一つのpcがしました。初めまして!とっても素敵です!高評価しました! (2021年9月7日 13時) (レス) id: 7d3fe1e696 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:むた | 作成日時:2021年9月2日 18時

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