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「え、Aさんが俺たちの名前つけるの？」
「うん！お近づきのしるしっていうにはちょっと大層な贈り物かも知れないけど・・・こんなに人いたら流石にないと困るし！」
ニコッと笑った彼女に異を唱える理由はなくて、少年たちは大人しく名前をつけられるに至った。
「んーと・・・まずはそこの猫背の君！」
「あ、俺ね？」
「・・・名前つけるって難しいなぁ。ヒントとかない？誕生日とか何か情報をくれぇ！」
「はははっ！ヒントって！・・・んー、誕生日は五月五日、だったかなあんま覚えてないけど。」
「おっ！こどもの日じゃん！鯉のぼり、久しく見てませんなぁ・・・あっ！辰哉とかどーよ！鯉は滝を登って辰になるから！どう？！」
「・・・意外とまともな名前が来てびっくりしてる。」
「意外とって何！？」
「あははっ！いやでも、気に入ったよ。ありがとねAさん」
「よし、そこのおっきい子こっちおいで！」
「・・・どれ？でかいのいっぱいいるけど。」
「今喋った子！」
「あ、俺か。」
「ほら、名前ないとややこしいでしょー？」
「はいはい、んで俺の名前は？ちなみに俺は自分の誕生日覚えてないから。」
「・・・どうしよ。んー、好きな天気は？」
「え？・・・まぁ、晴れてる方が好きかな。」
「ふむ・・・晴れ、おひさま、太陽、かんかん照り・・・あ！照！照らすって書いてひかる！どーよ！」
「カンカン照りから俺の名前くんの？？」
「だって他に情報ないんでしょー？仕方ないよ。でも、結構いい名前じゃない？」
「・・・まぁ、いいとは思う。」
「はいそこのちっちゃい子！」
「・・・ん。」
「うーん、大介でいい？」
「え、めっちゃ適当じゃない？」
「これから大きくなれますように！ってことでね？」
「えー、腹たつぅ・・・」
「よし大介ね！」
「俺のなんか雑じゃない？？？？」
「次そこの目つきの悪い子！」
「目つき悪いってなんだよ」
「おっ、愛想も悪かったか」
「殴り飛ばすぞ」
「うーん。なんかない？情報的な」
「その子、こっちの子と幼馴染だよ！！」
「え？あ、そうなの！？え、運命じゃん！！ちょっと待って双子みたいな名前つけるからそっちの子もこっちおいで！」
「いや双子じゃねぇし」
「いいじゃん、俺は嬉しいよ？」
「尊い・・・」
「んーと、涼しげな顔してる方が涼太くん！そんで、目つき悪い方が翔太くん！どや！」
「どやんな。」
「いいね、改めてよろしくね翔太。」
「・・・ん。」
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作者名：うさのすけ | 作成日時：2021年11月30日 10時
