『限界は近い』...Mi.r ページ21
Mi.side
限界な彼女
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「はぁ、人間やめたい・・・猫ちゃんとかになりたい・・・」
「まあまあ、Aアイス食べる？」
「食べるぅ・・・」
定期的に彼女にやってくる、この現象。
ストレスとか自己嫌悪とかその他諸々が限界を迎えた時に訪れるらしく、今日は仕事から帰ってくるなりベッドに沈み込んで一歩も動かないA。
「トイレ行きたい、けど動きたくない・・・」
「なら連れて行こうか？」
「ん〜、涼太なら本当にやりかねないからやだぁ・・・」
かろうじて理性とか羞恥心とかは残っているらしい。
本当なら限界になる前に俺に教えて欲しいところだけど、それが本人にも把握できていないらしいから仕方ない。まあどっちにしても、俺には彼女の疲れを癒すことしかできないけどね。
「猫になってもアイス食べれるかな・・・」
「ペット用のケーキもあるくらいだし、大丈夫じゃないかなぁ」
「そっかぁ・・・」
お行儀は悪いけど、ベッドの上に座ってカップアイスを一緒に食べる。そっとAに寄り添うと、俺の肩に彼女の頭が乗せられて、自分の胸の中に愛おしさが湧き上がってくるのを感じる。
「もし、さ」
「ん？なぁに、涼太」
「もし俺が、Aのこと養うって言ったら・・・仕事辞める？」
彼女が辛い思いをするくらいなら仕事なんて無理にさせたくないし、それに、幸いにも俺には彼女を養えるだけの経済力がある。もし彼女が望むなら、俺はいつだってそうする覚悟だった。
でも、彼女はそうは望まない。
「もうこんなにお世話してもらってるのに、これ以上涼太に頼りきりは嫌だよ。私も涼太に頼ってもらえるような人になりたいんだもん。」
今までなら。彼女に出会う前の俺なら。自分をしっかり持った自立した女の子を、とても素敵だと思っていたけど。
「そっか。俺は、Aがそばにいてくれたらなんでもいいからね。だからあんまり無理はしないでよ？」
「はぁい」
今は、君が自分の足でどこかに行けることが、俺に守られてくれないことが、忌まわしくてたまらない。
俺なしじゃ生きていけなくなればいい。彼女を苦しめる何もかも全部、切り離してしまいたい。
「あーーー・・・明日も仕事だぁ」
「お休みする？」
「ううん。頑張って行く！涼太のおかげで癒されたし〜？」
「それは何よりです」
幸せそうにくふふ、と笑う君を、俺の腕の中に閉じ込める。
胸の内の黒い欲望を、彼女に見られないように。
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うさのすけ(プロフ) - 美紀さん» ありがとうございます！精一杯気をつけます！美紀さんもご自愛くださいませ！ (2022年3月3日 2時) (
レス) id: 6a077b0cf7 (このIDを非表示/違反報告)
美紀(プロフ) - 移行おめでとコロナウイルスに気をつけてね (2022年3月1日 21時) (レス) id: 3abf21e40c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うさのすけ | 作成日時：2022年3月1日 3時
