第54話、的なやつ ページ7
貴方side
白「Aさんとデートだねぇ」
貴「・・・それを事務所出てから言うあたりが賢いよね、ラウちゃんって。」
事務所内で言ってたら確実に方々から批難殺到してたもんね、深澤とか深澤とか深澤とかから。
私よりも頭二つ分くらい上にあるラウちゃんの顔を見るのは一苦労だけれど、ニコニコと楽しそうな顔をしているのは把握できる。可愛いなぁ、純粋に癒しだよこの子は・・・
近くのスーパーで、頼まれたチョコレートと晩御飯の買い出し。ちなみに本日の晩御飯はラウちゃんの希望で唐揚げです。
白「前は時間が足りなくて却下になっちゃったからね！リベンジしたくて」
貴「今日はちゃんと準備できる時間があるもんね！とびっきり美味しい唐揚げ作ってあげるよ！」
白「やったー！！」
この子のためならなんでもできる気がするなぁ・・・なんだか親の気分。
貴「そういえば、ラウちゃんっていくつだっけ？」
白「18だよ！」
そういえばそうだよね。未成年が裏社会の怖ーい界隈にいるなんて、考えられる事情は限られてくる。
貴「・・・つかぬことを伺いますが、親御さんは、」
白「・・・顔も覚えてないよ。僕が小さい時に死んじゃったみたいで。」
貴「そっか・・・ごめんね、変なこと聞いちゃって。」
白「ううん！全然大丈夫だよ！だって僕には、岩本くんってパパがいてふっかさんっていうママがいるんだもん！」
私の目をしっかりと見据えたラウちゃんの表情は明るい。
貴「・・・深澤がママなの？」
白「そう！親がいなくてフラフラしてた僕のこと拾って、色々面倒見てくれたのはあの2人なんだ！」
貴「へー！」
なるほど、それであんなにあの2人に懐いてたのか・・・いつもどっちかにべったりだもんなぁ。岩本さんも親の目してたし・・・
白「ふっかさんは特に僕に甘くって、僕が欲しがったものは次の日には手に入れてる・・・みたいな可愛がり方してくれたから・・・」
貴「・・・それママってよりパパ活・・・」
白「しーっ！！それ言っちゃダメなやつ！」
ラウちゃんに庇われるって、ちょっとやばいぞ深澤・・・
白「ほんとあっという間に手配しちゃうから、ふっかさんの前で迂闊にあれこれ欲しいって言えないんだからね！・・・あっ！Aさんから言ってよ！あんまり甘やかしちゃダメーって！」
貴「えぇ・・・？それ、ラウちゃん本人が言った方が効果ありそうだけどなぁ・・・」
次回、「岩本さんのご機嫌取り」。チョコレートあげとこうね。
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作者名：うさのすけ | 作成日時：2021年11月30日 5時
