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貴「ほらほら、私のためにガンダしてきて!」
紫「マジでお姫様だなぁ!?あーもうわーったよ行ってきてやるよ!!そこで待ってろよ!!??」
貴「はーいがんばれぇー」
人使いの荒いわがままお姫様のご要望を叶えるべく、俺は園内を駆け回って列に並び、ポップコーンを手に入れた。
紫「ゼェ・・・ハァ・・・買ってきたよ、Aさん・・・」
貴「おっ、お疲れー!ご苦労様ー!」
さっきと変わらず、ベンチに座りくつろいでいるAさん。心なしかふんぞりかえっている感じがする・・・
貴「うむ、美味である。」
ご所望のキャラメルポップコーンを味わって満足気なのはいいんだけど、口調がなんかどこぞの女帝みたい。
紫「あぁー・・・疲れたぁ・・・」
貴「仕方ないな、労いとしてこの水をあげよう。」
ガンダした後の息切れに見舞われている俺に、Aさんが渡してくれたのはペットボトルのお水。
紫「えっ!!!これAさんの飲みかけとかだったり((貴「しません。そこの自販機で買った新品のお水です」、あ、はい・・・」
食い気味で否定されたものの、それはそれで『Aさんがわざわざ俺のためにお水を買ってくれた』という喜びが生まれるので大丈夫です。
紫「意外と優しいよねぇAさんって」
もらったお水をありがたくいただきながら、そう声をかける。めんどくさい女を自称して俺に冷たく当たるAさんだけど、こういう優しさはナチュラルに出てくるんだよなぁ・・・好きだわぁ。
貴「意外とってなんだ、私も一応人の子だぞ?」
紫「人の子って、それ現代の言い回しじゃないからね?!」
さっきの女帝キャラを引きずっているのか、はたまた素なのか。あまりの変な言い回しに思わずツボにハマっていると、Aさんの拳が肩に飛んできた。
紫「痛い痛い!やめてやめてぇ!」
貴「笑ったのが悪い。しばらくこの痛みを味わい続けろぉ!」
紫「ごめん!ごめんってぇ!!そんで力強いなぁ!?」
その可憐な体躯からは想像がつかないほどのパワーで肩を殴るAさんの口にポップコーンを詰め込みどうにか抑え込む。
紫「落ち着きました??」
貴「モゴモガモゴ」
紫「飲み込んでからしゃべろっかぁ?」
貴「・・・」
紫「目で訴えないの」
鋭い眼光をこちらに向けながらも殴る気は無いのか大人しくポップコーンを咀嚼することに徹しているAさんを横目に、俺はこれからどのアトラクションに乗るかを検討していた。
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うさのすけ(プロフ) - 深澤リアコさん» ありがとうございます!作者の私もなかなかめんどくさい性格なので、「親近感が湧く」と言ってもらえてとても嬉しいです!少しずつにはなりますが頑張りますので、気長にお待ちくださいませ! (2022年1月22日 15時) (レス) id: 4a67e16777 (このIDを非表示/違反報告)
深澤リアコ - 私も夢主ちゃんみたいな性格なんで、親近感が湧いてきます。更新まっています。 (2022年1月22日 0時) (レス) @page16 id: 00c4a8b38f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うさのすけ | 作成日時:2021年9月25日 0時