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「Aさん、はじめまして〜!
あれ?レッスン場とかで会ったことあるからはじめましてではないのかな?」
そして、いきなり話し出したと思ったら、顎に手を当てて考えてる不思議な子。
「俺の名前、分かりますか?」
えーっと・・・、君が・・・
「・・・ながつまくん、」
「そう!長妻怜央です」
そろりと顔を上げた私に両手をぐっと前に出して、握手を求めてくる彼。
それに応えるように、自然と伸びた腕。
「・・・一条Aです、よろしくね」
なんの戸惑いもなく、すんなり長妻くんの両手を包み込んだ私に廉くんが驚いた顔をした。
その驚いた廉くんに自分自身でも驚く。
私、いつの間にこんなに変わったの。
だって、ほんの数ヶ月前までは周りのみんなと距離をとっていたのに。
いつから変わったのかと言えば・・・
紫耀くんのあの時の言葉が私の心臓を暖かくした。
「・・・あれ?あのうるさいのは、」
そういえば、いつも一緒にいるもう一人がいない。
あの、いつも付きまとってくる見慣れたやつ。
廉くんと、長妻くん。あいつがここの三人で仲がいいのは知ってる。
「ああ、顕嵐のことか、
ながつ、顕嵐は?」
「レッスン場じゃない?
なんか振り付け師さんに呼ばれてた」
「・・・そう、」
寂しいなんてそれは絶対に思ってはいないけど。
違和感に思うなんて私も相当やられてる。
当たり前なんてない。
チャンスはいつどこに落ちているかわからない。
拾い上げるか。無視するか。
それも私次第なんだと思った。
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崚音(プロフ) - つい面白くてコメントしちゃいました!まだ読んでる続きですが、けっこう愛されが多いのでこのような小説はなにかぐっと来るものがあります! (2018年10月29日 23時) (レス) id: 84e1bc2839 (このIDを非表示/違反報告)
名無し47316号(プロフ) - 続き気になります!(泣) (2018年10月20日 17時) (レス) id: baa30c6726 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - カナちゃんの思いを託された主人公、、デビュー編、是非見たいです。作品の世界に入り込んでしまって、思わず感情移入しちゃったりもしました。更新通知がきた瞬間は毎回テンションあがりました(笑)続き楽しみです!待ってます〜! (2018年10月13日 10時) (レス) id: 7738179a6b (このIDを非表示/違反報告)
ふわり(プロフ) - この作品大好きです!すごく面白い!! (2018年8月17日 20時) (レス) id: f2904f1772 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむ .(プロフ) - この作品ももちろん他の作品も大好きなのできらさんが戻ってきてくれて嬉しいです(^^)更新楽しみにしています! (2018年2月11日 22時) (レス) id: 0c0138b67d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きら | 作者ホームページ:http://commu.nosv.org/bbs/db9e9021abda264c964ef18e2a284fe3
作成日時:2017年10月18日 15時