ハンバーガー。 ページ5
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『これ。お店のグラスにいいかも。』
品番をメモするA。Aはずっとお店のこと話してるね。……少しはデートだと思ってくれてるのかな。
Aが食器を見ている間にアクセサリーコーナーを見る。
『お待たせしました！』
「ん、カゴ頂戴。」
『え、お店用じゃないから。』
「いいよ。これ使って料理してくれるのはAなんだから。」
『すみません。ありがとうございます。』
「その辺見てな。」
カゴを店員さんに渡して、手に隠してたものを置く。
「これもお願いします。」
『ウォヌさん！お月さま！』
「本当だ。三日月？ちょっと太ってるか。」
『ふふっ、五日月くらいですかね？』
店から出た瞬間、数歩駆けて空に浮かぶ月を指さす。ワンピースの裾がふわりと広がる。街灯に照らされて、小ぶりなピアスが耳元できらりと光った。
「晩飯何食べたい？」
『うーん、ハンバーガーとか？』
「いいね。がっつりいこう。」
近くにあったアメリカンダイナーで大きなハンバーガーに齧り付いて、もう一回電車に揺られて、プラネタリウムに向かう。
指定席に座ると前方にあるカップルシート。
『いまどきのプラネタリウムはあんな席があるんですね。』
「あんま来たことないの？」
『学生の頃、年間パスポートで通ってたんですけど、公立の科学博物館だったから。』
「そうなんだ。」
俺は全然Aのことを知らない。休日も食べるくらい甘いものが好きなこと、水を変えるときに花に話しかけてること、俺たちの賄いが足りないのが嫌で多めに作って翌日のお昼も同じものを一人で食べてること、すごく素敵な子なのは知ってるけど俺は欲張りだからもっと知りたいと思ってしまう。
『わっ、、』
照明が落ちて、投影が始まった。
きらきらとした小さな感嘆に合わせて浮かぶAの手。その手に触れられたらいいのに。俺は欲張りに加えて臆病らしい。
投影されている星々よりも、Aの横顔を見てしまうことを許してほしい。
1時間ほどの投影が終わった。余韻に包まれてふわふわと歩いてるAと吸い込まれるようにギフトショップに入った。
『何がいいだろう。ディノもバーノンも水瓶座だから。』
「Aは何座？」
『天秤座です。ウォヌさんは蟹座ですよね？』
「魚介類食べられないのに笑。」
『ふふっ、蟹座の守護星って知ってますか？』
「守護星？」
『占星術では十二星座はそれぞれ惑星に守られている。蟹座の守護星は月です。』
「え？」
うちの店名はリュンヌ、Lune、フランス語で月。ふわっと神秘的な雰囲気に包まれる。
『よし、キーホルダーにしよう！買って来ますね。』
「う、うん。」
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すずな(プロフ) - 千笑さん» 千笑さま、コメントありがとうございます！そんなピンポイントな要望に添えてうれしいです笑。これからも眼鏡猫パティシエ(?)が作るケーキを楽しんでいただけますように！ (1月6日 18時) (
レス) id: 2b89f0e809 (このIDを非表示/違反報告)
千笑(プロフ) - ちょうどイケメンパティシエと恋に落ちたいと思っていたところでこの作品を見つけて、ほんとに楽しませていただいてます！ケーキも大大大好きなので、描写が細かくて毎回お腹いっぱいです笑笑。素敵な作品ありがとうございます！ (1月6日 12時) (レス) id: c7b840f656 (このIDを非表示/違反報告)
すずな(プロフ) - オニオンさん» ありがとうございます！とてもうれしいです。これかもまだまだ続くので引き続き楽しんでいただけら幸いです！ (12月23日 1時) (レス) id: 2b89f0e809 (このIDを非表示/違反報告)
オニオン(プロフ) - すずなさん» あぁ良かったです、、！いつも楽しく読ませて頂いてます！人物の描写だけではなく、ケーキや紅茶の描写までとても細かくて素敵でついついケーキと紅茶を食べたくなってしまいます笑これからも応援してます！ (12月22日 11時) (レス) id: 4300abda91 (このIDを非表示/違反報告)
すずな(プロフ) - オニオンさん» コメントありがとうございます！大変失礼しました。訂正いたしました。 (12月22日 10時) (レス) id: 2b89f0e809 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すずな | 作成日時：2023年12月22日 1時
