紅茶。 ページ27
『えっと、いらっしゃいませとありがとうございましたは一緒に言おう。レジ打ちに時間かかりそうだったら少々お待ちくださいって口に出して言う。それでお客さまにも自分にも余裕が生まれるので。』
JA「はーい。」
……またさっきと一緒。
平日だから、そんなに混むこともなくジアさんの初日は終わった。
『7時なのでアップです。おつかれさまでした。何かケーキ……』
……食べないか。ディノは勉強にって持って帰って翌週には全部の商品の説明ができてたけど。ダメダメ、人と比べちゃいけない。
JA「大丈夫です笑。オンニって毎日ケーキ食べてるんですか？笑」
『そうですね。試作とかもありますし、食べる日が多いです。』
JA「え〜、信じられない。ジア太るとか気にしちゃう笑。じゃあ、ウォヌオッパ、おつかれさまでした〜！」
「おつかれ。初日どうだった。」
JA「オンニよりオッパの方が優しいです〜。ケーキ屋さんってもっとゆったりしたところだと思ってた笑。」
ジアさんが帰って、やっとほっとできそう。
「ちゃんと優しくしてやって。いびったって面白くないだろ。」
ウォヌさんはそう言い捨てて、厨房に戻った。
ジアさんが入って、一週間経った。オープンしたばかりでお客さんのいないお店、今はノエル仕様のラッピングのデザインをしてる。
JA「Aさんって女ひとりだったじゃないですか？やっぱイケメンに囲まれて、優越感とか感じたんですか？笑」
『仕事仲間と家族の間みたいな感じだから、特にそういうことは考えたことないです。』
JA「ふふっ、でも今は残念ですね。ジアの方が可愛くて、若いから。」
……色目を使ってみんなのことを見たことはない。
二週間くらい経ったときのことだっけ。あんまりうまく記憶に残ってない。夕方いつもより早く来たジフンさんに紅茶の提供をしようとティーカップを選んでいたとき、
ｶﾞﾀｯ ﾊﾟﾘｰﾝｯ
JA「あっ、ごめんなさ〜い。」
ジアさんに足を引っ掛けられて、手が奥にずれ、ティーカップを一個押し出して床に落とした。
『あ、うん、大丈夫。……片付けしちゃうね。』
落ちたのは一番思い入れがあった勿忘草のティーカップ。金継ぎの余地もないくらい粉々に砕けた。まるで私の心を外から見てるみたいだった。
ジアさんが退勤したあと、
「Aちゃん、大丈夫、なわけないよね。しんどいよね。大丈夫、僕はわかってるよ。」
そう言って抱きしめてくれたのはジュンさんだった。
JN「もう頑張らなくていいからね。大丈夫だから。」
WZ「俺たち常連客もわかってるから。もう一杯頼んでもいいか？」
『はい…！』
この人たちがいる間は大丈夫、大丈夫。
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すずな(プロフ) - 千笑さん» 千笑さま、コメントありがとうございます！そんなピンポイントな要望に添えてうれしいです笑。これからも眼鏡猫パティシエ(?)が作るケーキを楽しんでいただけますように！ (1月6日 18時) (
レス) id: 2b89f0e809 (このIDを非表示/違反報告)
千笑(プロフ) - ちょうどイケメンパティシエと恋に落ちたいと思っていたところでこの作品を見つけて、ほんとに楽しませていただいてます！ケーキも大大大好きなので、描写が細かくて毎回お腹いっぱいです笑笑。素敵な作品ありがとうございます！ (1月6日 12時) (レス) id: c7b840f656 (このIDを非表示/違反報告)
すずな(プロフ) - オニオンさん» ありがとうございます！とてもうれしいです。これかもまだまだ続くので引き続き楽しんでいただけら幸いです！ (12月23日 1時) (レス) id: 2b89f0e809 (このIDを非表示/違反報告)
オニオン(プロフ) - すずなさん» あぁ良かったです、、！いつも楽しく読ませて頂いてます！人物の描写だけではなく、ケーキや紅茶の描写までとても細かくて素敵でついついケーキと紅茶を食べたくなってしまいます笑これからも応援してます！ (12月22日 11時) (レス) id: 4300abda91 (このIDを非表示/違反報告)
すずな(プロフ) - オニオンさん» コメントありがとうございます！大変失礼しました。訂正いたしました。 (12月22日 10時) (レス) id: 2b89f0e809 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すずな | 作成日時：2023年12月22日 1時
