パティスリー・リュンヌ 〈WN〉

いちごとカスタードのパルフェ。 ページ45

MG「うまっ、おぬよん！おいしいよ！！」

『ふふっ、』

「……黙って食え。」

火曜日の開店直後は流石にお客さんもあまり来ない。土日の喧騒が幻だったかのように落ち着いている。

ミンギュさんは試作のいちごとカスタードのパルフェを食べてくれています。

『あ、そうだ。ウォヌさん、ジャムの話！』

「忘れてた。Aがしといて。」

厨房から聞こえる気怠げな声。……それでいいのか、店長。

MG「ジャム？」

『バレンタインの詰め合わせにも入れたんですけど、ジャムを始めることしたんです。それでもしよかったら、お店で取り扱ってもらえないかなって。』

MG「うちはもちろん喜んで置かせてもらうけど。」

『？？……はい。』

MG「ジャムを作って、うちへの焼菓子の納品も増やしてくれて、ミョンホのところにもサブレ置くことになったんでしょ？上の準備も着々としてるみたいだし。仕事減らすためにディノたち増やしたはずなのに。」

『でも、仕事は楽になってますよ。……若干。』

MG「はぁ、本当二人揃ってワーカーホリックなんだから。」

たしかにウォヌさんにはちゃんと休んでほしい。家の下とはいえ、定休日も数時間は仕込みしてるし。たまに焼菓子とアイスの日でも作ろうかな。



夕方に学校帰りの学生がアイスを食べに来る時間帯もすぎて、店内はとても静か。

「すみませーん。」

『はい！いらっしゃいませ。あ、』

背が高い優しそうな笑顔の男性と先日来てくれたお目目がうるうるの可愛い男性。

「この前のケーキとアイスすっごく美味しかったですっ！」

『ふふっ、うれしいです。今日も新作のアイスがありますよ。』

もう一人の男性がポケットから名刺入れを取り出す。

DK「僕たち、向こうの通りで先週から花屋を開きました。僕はイ・ソクミンです。」

手渡されたのは可愛らしいショップカード。

SG「ブ・スングァンです！」

『ユン・Aです。あっ、ブーランジェリーシヤンウールーの隣の？』

おしゃれな看板工事だけチラッと見た気がする。花屋さんになったのか、ミンギュさん教えてくれたらいいのに。

DK「これ、もしよかったら挨拶代わりです。」

差し出されたのは淡い紫のスイートピーの小さなブーケ。

『わぁ、ありがとうございます。』

SG「早速でごめんなさい。もし良ければ少しお話を聞いていただけませんか？」

……なんだろう、、

『もちろんです。あ、店長呼びますね。こちらおかけになってください。』

フランボワーズフロマージュ。→←ゆず茶。

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