華奢。 ページ26
WN side
「……今、この子たちって言った？」
『え、あ、言ってなかった？』
……なんかまた重要なことを言い忘れてたみたい。
『ふたごだって。まだ色々可能性があるからあと2か月くらいは確定じゃないんだけど。』
ふたご？Aのこの華奢な身体に赤ちゃんが二人もいるの？
「え、本当に？」
『うん笑。ふふっ、ウォヌくんのお目目がまん丸になってる笑。』
「俺、二人子どもがいるの？」
『そうだよ？二人のパパになるんだよ？』
そう言いながら、俺の膝に座って、お腹に俺の手を導くA。
「ありがとう、A。」
『ふふっ、さっきも聞いたよ？』
何回でも言いたい。
「……フルーツタルト買ってきたけど、食べれないかな。」
『え、駅前のケーキ屋さんの？？』
「うん。」
『わかんないけど、ちょっと食べてみてもいい？』
「もちろん。」
うれしそうに立ち上がったけど、しばらくちゃんと食べれてないんだろう。ふらついた体を支えて、そのままラグに座らせる。
「俺が用意するよ。」
『ごめんなさい。」
「何を謝ることがあるの？これから何かできなくて謝るの禁止。」
『……ありがとう。』
「ん、いい子。」
机の上に散らかってた空容器をとりあえずキッチンに置く。あとで捨てればいい。お皿にタルトを二つ盛り付けて運ぶ。
『いただきまーす…！』
うれしそうににフォークを入れて、ひと口。
『んん、……無理かもしれない。』
「そっか。大丈夫大丈夫。俺が食べちゃうから。」
悔しそうにタルトを見つけるA。
「乗ってる果物だけでも食べれないかな。……あーん。」
苺だけフォークにさして、Aの口に入れる。
『ん、おいしい。』
タルト生地とアーモンドクリームがダメなんだね。
「よかった。上の果物だけ食べな？俺の分のも食べていいから。」
『大丈夫だよ！ケーキそのままの方が美味しいから！』
「いいから。食べてほしいなぁ？俺、タルト生地だけでも結構好きなんだ。」
これは嘘だけど、美味しそうに果物を食べるAを見たら本当にそれだけで美味しく感じる。
『ありがとう。いただきます。』
Aの方が本当は全部合わさった完璧なケーキが食べたいんだよね。俺たちの子どものためだけど、我慢させちゃうのが辛い。
『ウォヌくん、大丈夫だよ。私、ウォヌくんがいたら辛くない。』
「うん。ありがとう。」
辛くないは嘘だろうけど、隣で幸せそうな顔をしてくれる君が好き。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1344人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
そる(プロフ) - すずなさん» 楽しみにしてます！！ (2月11日 18時) (
レス) id: c372f2037e (このIDを非表示/違反報告)
すずな(プロフ) - そるさん» そるさま、コメントありがとうございます！私には勿体無いお言葉をありがとうございます♡またいつか更新するので気長にお待ちいただけたらうれしいです！ (1月26日 2時) (レス) id: 2b89f0e809 (このIDを非表示/違反報告)
そる(プロフ) - いつも楽しみにしてます！一番好きな小説です！ (1月24日 21時) (レス) id: c372f2037e (このIDを非表示/違反報告)
すずな(プロフ) - hifox0302さん» また素敵なコメントありがとうございます！始まりましたね〜！作者はまだ追いついてないのでお時間いただきますが、書きます！気長に待っててもらえるとうれしいです♡ (1月6日 22時) (レス) id: 2b89f0e809 (このIDを非表示/違反報告)
hifox0302(プロフ) - いつも素敵なお話をありがとうございます！ナナツアー始まりましたね！！寝起きドッキリのウォヌを見たcaratが奥さんとウォヌの生活についてこんなんかな〜なんて想像してるツイートなど見てみたいです！ (1月6日 16時) (レス) id: 957469a4be (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：すずな | 作成日時：2023年12月15日 23時
