セミダブル。 ページ22
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「ただいま。」
久しぶりに日付が変わる前に家に帰って来れた。
ぱたぱたとスリッパが鳴る小さな音に思わず笑みが溢れる。
『おかえりなさい。』
「まだ仕事中？」
仕事用の黒縁眼鏡をかけている。
『うん、もう少しだけ。お風呂沸いてるよ。』
「ありがとう、入っちゃうね。」
明後日からツアーに出るから、一緒に入れるのはしばらく最後だけど仕方ない。
ゆっくり浸かって上がってくるとベッドのシーツを替えてくれてるA。ずっとどっちかの部屋に泊まってたから、ダブルだと落ち着かなくて間を取って買ったセミダブル。Aはぎゅっと小さくなって寝るのが癖だから全然狭くない。
「もう仕事終わった？」
『うん。私もお風呂入ってくるね。』
「……こんなすぐ終わるなら待ってたのに。」
温かいお湯の中でAのやわらかい身体を抱きしめるのが好き。
「ねぇ、今日いい？」
『いいけど、ウォヌくん疲れてないの？』
「A抱いたら元気満タン。」
『……ばか。お風呂入ってくる。』
洗面所まで走っていった後ろ姿の頸が赤く染まっていた。
30分くらいゲームをしてたら、洗面所の扉が開く音がした。最近、Aはスキンケアの途中で扉を開ける。我儘が言うのが苦手なAの髪を乾かしてほしいおねだり代わりの微かな合図。
「髪乾かしてあげる。」
Aはまだ顔にぺたぺた塗ってて手を離せないけど、当たり前のように、ヘアミルクを取り出して髪に馴染ませる。最初はそこまでやらなくてもいいよと言われたけど、俺ができることはなんでもしたいんだよと言い聞かせてたら、だんだん絆されてきた。
「熱くないですか？」
撫でられるのが心地いい猫みたいな顔で頷くA。
「はい、おしまい。」
『……ありがと、オッパ。』
「うん。……え、」
今、オッパって言った？
たしかに聞こえた小さな声。
俺が反応したのに気づいたAは顔が見えないようにぎゅーっと俺に抱きつく。
『……ベッド連れて行って。』
確認したくて、仕方ないけど、とりあえず抱き上げて寝室に連れて行く。
どうせ後で俺が蹴飛ばしちゃうけど、恥ずかしがり屋さんを布団に閉じ込めて、俺も入る。
「A？」
『……なぁに。』
「さっき、オッパって呼んでくれたの？」
こくんと頷くA。すっごい可愛くて、顔がでろでろな自信がある。
「ふふっ、そっか。」
さっきのぎゅっと力が篭ったような小さな声を何度も頭の中で反芻させる。
『……オッパって呼ばれたかった？』
「え？」
『ずっとウォヌくんって呼んでたから、本当はオッパって呼ばれたかったのかなって。』
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そる(プロフ) - すずなさん» 楽しみにしてます！！ (2月11日 18時) (
レス) id: c372f2037e (このIDを非表示/違反報告)
すずな(プロフ) - そるさん» そるさま、コメントありがとうございます！私には勿体無いお言葉をありがとうございます♡またいつか更新するので気長にお待ちいただけたらうれしいです！ (1月26日 2時) (レス) id: 2b89f0e809 (このIDを非表示/違反報告)
そる(プロフ) - いつも楽しみにしてます！一番好きな小説です！ (1月24日 21時) (レス) id: c372f2037e (このIDを非表示/違反報告)
すずな(プロフ) - hifox0302さん» また素敵なコメントありがとうございます！始まりましたね〜！作者はまだ追いついてないのでお時間いただきますが、書きます！気長に待っててもらえるとうれしいです♡ (1月6日 22時) (レス) id: 2b89f0e809 (このIDを非表示/違反報告)
hifox0302(プロフ) - いつも素敵なお話をありがとうございます！ナナツアー始まりましたね！！寝起きドッキリのウォヌを見たcaratが奥さんとウォヌの生活についてこんなんかな〜なんて想像してるツイートなど見てみたいです！ (1月6日 16時) (レス) id: 957469a4be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すずな | 作成日時：2023年12月15日 23時
