栞を挟むように。Ⅲ〈WN〉 (ページ7)

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禁断症状。ページ7

WN side

Aが日本に帰って、1か月。海外公演や授賞式に向けて、みちみちのスケジュールをこなしている。

HS「つかれたーー」

後ろからのしかかってくるヘムチ。

「引っ付くな。」

HS「うーー、彼女できてからウォヌが冷たいよー」

WZ「彼女関係ないだろ。」

JN「昔からウォヌはツンデレちゃんだもんね～」

HS「最近Aちゃんと仲良くしてんの？」

「まぁ、それなりに。」

HS「俺はこの忙しさで彼女もできないって言うのに一人だけ惚気やがってー！」

「ホシから聞いてきたんだろ……」

あーAの声聞きたいなぁ。普段毎日話してると2,3日電話できてないだけで、禁断症状が出る。

結局、スケジュールが終わったのは23時。俺今日5時に家出たよな…？

MG「おぬよーん、帰るよー」

「はーい」

家に着いてシャワーを浴びて、アイスでも食べながらゲーム実況見ようとしてたら、

プルルルル

着信:A

Aが断りなしでこんな時間にかけてくるなんて珍しい。

「もしもし？」

『ウォヌくん！あ、え、今お仕事中？』

「ううん。家に帰ってきたところ」

『あの、、あのね、新人賞を、受賞しました！』

声を詰まらせながら伝えてくれて、Aの想いの大きさがわかる。

「すごいよ、おめでとう。」

今すぐ抱き上げてくるくるーって回りたいけど、Aがいるのは海の向こう。

『ありがとう。ウォヌくんに早く伝えたくて、何も考えないで電話しちゃった。』

「ふふっ、俺もうれしい。すごいね、小説家だ。」

『デビューはデビューだけど、まだまだこれからだよ。』

これからも仕事を続けながら小説を書くことにしたみたい。

「次会うとき改めてお祝いさせてね。」

『うん。楽しみにしてる。いつ会えるかな……。』

「んー、年明けてからになっちゃうかもしれない。」

『大変だ。体壊さないようにしてね。』

「Aも忙しくなると思うから無理しないで。」

『うん。おやすみなさい。』

「おやすみ」

Aの声を聞くと安心して、どっと眠くなる。今日はよく眠れそう

MG「おぬよーん！練習着洗濯出してー！」

じゃなかった。