栞を挟むように。Ⅲ〈WN〉 (ページ6)

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口止め。ページ6

You side

JS「これはウォヌもあんなに心配するね。」

SG「うんうん。動いてる方が可愛い子だ。」

すごい人たちにすごい褒められている、のか？
こういうとき、そんなことないですって言うのも失礼って言うよね…

JS「ふはっ、褒められ慣れてないって感じだね？」

『……はい』

SG「ウォヌヒョンはあんまり言葉にしてくれない？」

『……ウォヌくんはたくさん言ってくれます。』

それはそれはたくさん……

JS「よかった。安心したよ。」

メンバーの皆さんはどの人と会っても、ウォヌくんのことが大好きで、私たちを温かく見守ってくれているのを感じる。

ケーキが届いて口に運ぶと二人がすごい見つめてくる。

『……一口食べますか？』

別の種類を頼んだから気になったのかな？

ぷっと吹き出すスングァンさん。

SG「あーちんちゃ」

JS「ごめんごめん。ウォヌがケーキを食べてるところが可愛いって力説してたから、気になって。」

SG「Aちゃん、ケーキ屋さんのCMに出た方がいいよ。」

……ウォヌくんに口止めしようかな。

JS「その指輪、よく似合ってるね。」

『ウォヌくんがくれました…！』

JS「すっごい迷ってたもん。いろんなお店見て回って、最初のお店に戻ったりして。」

SG「ディノにどれくらいの値段の物だったら気負わずに着けてくれるか聞いたりしてた。」

私のためにたくさん考えてくれたウォヌくんを想像して、心がぽかぽかとする。

時間が来たので店を出る。すごいスマートにジョシュアさんにご馳走してもらってしまった…。

会議室で次の研修の配布資料を準備する。後ろからコツコツコツと足音が聞こえる。挨拶をしなきゃと振り返ると

ヘリンさん……

HR「1部もらってもいい？」

『はい。どうぞ。』

一組作ってヘリンさんに渡すと、私の手元を見て一瞬固まる。

HR「…あ、ありがとう。」

そのままヘリンさんは部屋から出て行ってしまった。

会議室に誰もいないことを確認して座り込む。
怖かった。
心臓がバクバクして、まだ治まらない。左手で右手を握る。大丈夫大丈夫と念じて、ウォヌくんのくしゃっとした笑顔を思い出したら、だんだん落ち着いてきた。これでもう大丈夫。