栞を挟むように。Ⅲ〈WN〉 (ページ45)

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ワイン。ページ45

You side

ウォヌくんが日本語で、小夜が韓国語で自己紹介をして始まったディナー。間に挟まれた私は悪い予感がする。

ドギョムさんのおかげとウォヌくんがいない間4か月に一回韓国に来てたおかげで、小夜は韓国語が話せるようになった。

二人いるからって小夜が白ワインのボトルを頼んだけど、大丈夫かな。

SY「Aとは中学からの友だちなんです。昔から本ばっか読んでる子で頭はいいけど、とっても世間知らず。韓国アイドルとか全然興味がなかったんです。」

「そ、そうなんですね。」

ウォヌくんが困ってるのは分かってるけど、ここで助け舟を出した方が小夜が私モードになってキレキレになるのが安易に想像できる。

SY「私は昔から好きなんですけど。」

「どのグループが好きなんですか？」

SY「SEVENTEENです。」

話を広げようとして自ら落とし穴に嵌って咽せるウォヌくんと何も顔色を変えずに答える小夜。

SY「ドギョムペンです。」

「あ、ありがとうごじゃいます。」

ウォヌくん、焦って噛んでる……

SY「Aのどこが好きなんですか？」

ひぃ、やっぱそれ聞くんだ…。

「、好きな物事や周りの人に対して真っ直ぐなところですかね。」

SY「あとは？」

「愛情深いところ、感受性が豊かなところ、あと、よく笑ってよく泣くところ。」

……照れてしまう。

SY「ふーん。婚約もせずに義務に行ったんでしょ？Aに苦しい思いさせたとは思わないわけ？」

キレキレだなぁ、こわいよー。

「それは思いました。でも、アイドルという立場で義務に行く以上、ファンとA両方に真摯に向き合いたくて、このような結論になってしまいました。もちろん、Aさんにはさみしい思いをさせてしまったなと思っています。」

……久しぶりにAさんって聞いた。

SY「はぁ……」

急にため息吐いたらこわいから。ウォヌくん、びくってしたよ？

SY「"ただの良い人じゃん。むかつく～！"」

グラスのワインを一気飲みした小夜。

『"小夜怖いよ。息できなかった。"』

SY「"じゃあ、あんたが助けてあげなさいよ。"」

『"私が加勢したら小夜がヒートアップするだけでしょ。"」

SY「"実物のちょのぬマジかっこいい。"」

横を見るときょとんとした顔のウォヌくん。

『ただの良い人だからもう言うことないって。ごめんね、おつかれさま。』

よかったぁって言いながらこちらもワインを飲み干す。