少女。 ページ42
WN side
「ありがとう。」
MN「おう、ちゃんと休めよ。」
久しぶりの駐車場までマネヒョンに送ってもらった。ミンギュも今日除隊したけど実家に行った。自宅じゃないもう一つの方の鍵を握ってエレベーターが着くのを待つ。Aの反応を想像してみる。Aのことだから色々用意してるんだろうなと思って今日はあんまり連絡してない。抱きついてくる？もしかしたら泣いちゃうかな。どきどきしながら鍵を開ける。
ｶﾞﾁｬｯ
「ただいま。」
何も反応がない。料理中かな。
「Aー？」
リビングにも台所にもいない。
「え……？」
書斎も寝室も確認したけど、いなくて電話をかける。
"おかけになった番号は現在電源が入っていないか、電波が届かない場所にあります。"
「はぁ………」
途方に暮れて廊下に棒立ちしていると玄関から鍵が開く音。
『……ウォヌくん？』
「A！！」
俺の顔を見た瞬間、涙を浮かべて座り込むA。
『………うう、間に合わなかったぁ』
そのまま、わんわん泣き出しちゃってまるで小さな子どもみたい。
『うう、ごめんなさい、ごめんね、』
俺が帰ってきたことより出迎えられなかった自己嫌悪に駆られるAを抱きしめる。
「そんなの大丈夫だから。ほら、帰ってきたよ？」
涙でぐちゃぐちゃな顔を包んでこっちを向かせる。
『ウォヌくん、おかえりなさい、うう、』
「また泣くの？笑……ただいま。待っててくれてありがとう。」
相変わらずの泣き虫さんをそのまま抱きかかえて、リビングに入ってソファに座る。
『、ウォヌくんだぁ』
「うん。ウォヌくんだよ。」
『たくさん準備してね、ウォヌくんのこと待ってたんだよ、待ってたんだけど、』
そうだよね、わかってるよ。
『本のことでトラブルがあって、帰りのタクシーで渋滞に巻き込まれて、』
「大変だったんだね、Aもおかえり。」
『お出迎えできなくて、ごめんね。』
「そんなのどうってことないんだよ。」
『でも、今日は大切な日だから。』
そう言ってまたえぐえぐ泣くAは素直な少女のようで、俺と出会ってからもう3つも歳を重ねたはずなのに変わらない純粋さが見える。
かわいい唇に久しぶりの口づけを落とす。
『………んっ。おかえりなさい。』
「ふはっ、愛してるよ。A。」
そのまま何度もキスをした。
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作者名：すずな | 作成日時：2023年12月8日 4時
