栞を挟むように。Ⅲ〈WN〉 (ページ39)

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いない冬。ページ39

You side

もうすぐウォヌくんがいない2回目の冬が来る。

一人ぼっちの生活は寂しいけど、ジョシュアさんが甘いものを持ってきてくれたり、韓国で仕事のときにミョンホさんとジュンさんが寄ってくれて一緒にご飯を食べたり、たくさん気にかけてくれてた。ミンギュさんの妹さんと家主がいない家でパーティーをしたこともあった。

ウォヌくんの不在を誤魔化すかのように仕事をいっぱい受けて、ずっと書斎に引きこもっていた。とにかく読んでとにかく書いた１年半。ウォヌくんがいない間に4冊も本を出した。海外で翻訳された本もある。韓国語訳も出たんだよ？ウォヌくん気づいてるかな。重版したり賞をもらっても、ウォヌくんに頑張ったねって抱きしめてもらえないのが寂しくて仕方ない。

いつも通りスーパーに買い物に行って帰ってくる。1人分の食料って少なくて、週に一回の買い出しで済んでしまう。ついこないだまで1人分のご飯しか作ってなかったのに、たった3か月で2人分作るのに慣れてたみたい。おいしいおいしいってたくさん食べてくれる人が目の前にいないと、ごはんを作ってもちゃんと味がしない。
寒くなってきたから、今日は鍋をする。大きな白菜を丸々ひとつ買ってしまったけど一人で使い切れるかな。

重たいエコバッグを二つ片腕で持って、ポストを開ける。

編集部から送ってもらった資料の重たい茶封筒をなんとか抱えて、ポストを閉めようとしたら底にまだ残ってる。

『あ、届いてる…！』

ウォヌくんからの手紙。

深緑色の封筒はウォヌくんのお気に入りのレターセットで、何度か他のに浮気しても結局これが好きらしい。初めて送ってくれたのもこの封筒だったね。

折角だから離れているのを楽しもうと兵役の間、私たちはまた文通をすることにした。エレベーターに乗ってる時間さえうずうずする。

冷凍ものを急いで冷蔵庫に仕舞って、リビングのペン立てに入ったウォヌくんのペーパーナイフで開封する。

『え……』