栞を挟むように。Ⅲ〈WN〉 (ページ38)

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時間。ページ38

WN side

兵役に入ることが決定した。95年96年が一番に入ることは決まってたけど、ウジPDも行くし、時間差をつけるより全員一気に行ってしまった方が完全体復帰も早いし良いという結論に至った。

やっと韓国に慣れてきたばかりのAを置いていくのが心苦しいけど、仕方がない。ジョシュアたちにたまに顔を見に行ってもらうように頼んだ。婚約もせずに1年半恋人を置いていくなんてってミンギュとスングァンに責められたけど…。

『誕生日お祝いできなかった……』

「仕方ないよ。」

明後日が入隊で俺の誕生日には間に合わなかった。

『私は盛大にお祝いしてもらったのに。』

「一緒に過ごせる誕生日はあと何回でもあるから。」

たっぷりの紫陽花の花束と綺麗なホールケーキでお祝いしたAの誕生日。拗ねたような顔をしながら、俺の坊主頭を撫でるA。

「そんな撫でるの好き？笑」

『ふふっ、触ってたら気持ちいいんだもん。』

「何かあったら、ジョシュアか俺のお父さんか弟に頼ってね。こっちにいる時期だったらジュンとミョンホも助けてくれるはず。」

Aのことが心配で心配で年頃の子どもを持つ親みたいなことを言ってしまう。

『ウォヌくんがいない間に、SEVENTEENのウォヌに名前が並んでも恥ずかしくないくらいの作家になるね。』

「うん。楽しみにしてる。」

元からAはすごく素敵な子だってことにAは全く気づいてない。

『どっかの猫ちゃんに着いていっちゃダメだよ？ちゃんと帰ってきてね？』

軍隊をなんだと思ってんだか。ほとんど野郎しかいないんだよ？笑

「うちの子猫ちゃんが一番可愛いから大丈夫。」

頭を撫でると目を瞑って気持ちよさそうにするA。あー、マグカップに温かい飲みもの注いだら出てくる妖精みたいにAがなればいいのに。この期に及んで連れていきたいとか、女々しすぎるかな。

「いい子で待っててね。」

『……にゃー。』