遅刻。 ページ37
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サイン会や収録、次の音楽番組の練習、つめつめのスケジュールをこなしてると日付の境目がわからなくなる。
4時間だけ空き時間があるから、家に帰って寝ろとマネヒョンに言われた。無意識に合鍵でAの部屋に入って、Aの枕を抱きしめて泥のように眠った。
『……ヌくん、ウォヌくん』
「……ん？」
『スマホ鳴ってるよ。お仕事じゃない？』
「あー、うん。」
もう時間か。……ん？
「A、なんでいるの？」
『なんでって帰ってきたんだよ？連絡したのに返信ないから心配しちゃった。』
「……そっか。帰ってきてくれてよかった。」
当たり前でしょ？って不思議そうな顔してるけど、不安だったんだよ。
『ジュンさんから溶けてるウォヌくんの写真が送られてきて急いで帰ってきちゃった笑。』
いつ撮ったんだよ……文句も言いたいところだけどとりあえず重症化したA不足を治すために半分話を聞かずにぎゅーっと抱きしめる。
「……会いたかった」
『ウォヌくん、遅刻しちゃうよ？』
そんなのどうでもいいって言いたくなるけど怒られちゃうから、
「30秒だけ……」
丁度30秒くらい経った頃。
ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ
『はーい！』
MG「え！Aちゃん帰ってきたの？」
『今さっき帰ってきたところです！』
MG「おかえり〜。ところで、おぬよん起きてる？笑」
『さっき起こしたんだけど笑。時間ギリギリですよね。』
玄関でAとミンギュが談笑してるのが聞こえてくる。このあとは練習だからジャージに着替えて、リュックを持つ。
MG「あ！ひょん、おはよう。」
……おはようって時間でもないだろ。
「……んー、邪魔するなよ。」
『もー！ウォヌくんのこと迎えに来てくれたんだからそんなこと言わないの。』
MG「ひょん子どもみたい笑。」
「行きたくない……」
『私、お仕事頑張ってるウォヌくんが好きだなぁ。頑張ってきてくれたら、ウォヌくんが好きなもの作って待ってようかなぁ。』
「行く。」
このひょんチョロいとでも言うようにニヤニヤするミンギュを知らんぷりしてスニーカーを履く。
『はい。いってらっしゃい。ミンギュさんも気をつけて。』
MG「行ってきまーす！」
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作者名：すずな | 作成日時：2023年12月8日 4時
