栞を挟むように。Ⅲ〈WN〉 (ページ24)

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海月。ページ24

You side

SG「ウォヌヒョンの思うがままだね。」

『だよねー。』

スングァンさんが撮影帰りに美味しいチーズケーキを買ってきてくれたから、二人でお茶をしてる。夜にはミンギュさんとウォヌくんも呼んでお好み焼きパーティーをする予定。

最初はウォヌくんが小さくてもわがままを言ってくれるのが嬉しくて、いつのまにかずふずぶとウォヌくんに侵蝕されていた。

SG「でも、まぁ幸せそうだしいいんじゃない？」

『その一言に尽きるのかなとは思ってる。』

SG「キムミンギュは寂しがってるみたいだけど、そのうち慣れるでしょ。結婚したら帰って来なくなるわけだし。」

『まだまだ先の話だけどね？』

SG「意外と早いかもよ？あのヒョン、意外と男気あるから。」

『海月みたいにふわふわしてるのに。』

SG「でも、A海月好きそうじゃん。」

『うん。好き。水族館の水槽の前に2時間はいられる。……もう一切れ食べていい？』

SG「どうぞ～。Aは食べっぷりがよくて見てて気持ちがいいね。」

『褒められてる？』

SG「もちろん。」

でもハニヒョンに一切れに持って帰ろっかなって言い出したから、私が食べ尽くす前にタッパーに移して冷蔵庫に入れる。このチーズケーキめっちゃ美味しいんだもん。

エスプレッソメーカーでエスプレッソを抽出して、氷で満たしたグラスに注ぐ。スングァンさん用のアイスアメリカーノの出来上がり。

SG「お、ありがとう。でも、いいお家だね。Aっぽい。」

『うん、東京の家をそのまま広くした感じにしたからとっても居心地がいい。』

持ってくるのは本を優先して、引越し代が高くつく家具や家電は後輩たちにあげてしまったから、ウォヌくんとミンギュさんまで似たような家具を見つけるために色んなサイトを探してくれた。おかげで、中古で同じものが手に入った家具まである。……テレビ台のウォヌくんのゲーム機だけ浮いてるけど。

SG「あ、これ引越し祝い！遅くなってごめーん。」

『え、ありがとう！全然いいのに！』

SG「シュアヒョンから高級品もらってガクガクしてたって聞いたから、日常使いできそうなものにしたよ。」

ジョシュアさんからはグラスが4種類くらいセットになってるものをもらって、いつおろしたらいいのか、おろおろしている。

『ふふっ、ありがとう。大切にするね。』

SG「うん！」

スングァンさんやディノがふらっと来てくれるとこっちで一人暮らしを初めてよかったなって思う。