ココア。 ページ18
WN side
A無事、飛行機座れました。
あのあと、Aは休みが取れて、俺も明日のレコーディングをウジが来週にしてくれたから、今日と明日は一緒にいられる。
「A迎えに行ってくる。」
MG「待って俺も行く。俺が運転するよ。」
「ごめん。」
俺も焦燥しててミンギュに気を遣わせてしまった。
MG「ありがとうがいい、ヒョン」
「うん。ありがと。」
MG「寒いから車にブランケット乗せて行こう。」
夜のソウルは輝いてて、それが今の俺には痛かった。
MG「よし、到着。あと15分くらいで出てくるんじゃない？」
本当はゲートへ迎えに行きたいけど、我慢して初めて待ち合わせしたのと同じ出口の前。
きょろきょろ見回して車に気づいたみたいだから扉を開けて後部座席の俺の隣に座らせる。ぺこっとお辞儀をして、何も話さないAにシートベルトを着けて頭を撫でる。
「荷物少ないね。困ったことなかった？大丈夫？」
『……荷物、何持ってこればいいかわからなくてごめんなさい。』
「ううん。足りないものは買いに行けばいいよ。よく来たね。」
『お葬式とか全部一人でやったよ。……お父さん、いなくなっちゃった。』
無理して笑うAの肩を抱く。前より少し痩せた気がした。うっすらクマがある目元を撫でる。
「頑張ったね。もう大丈夫、俺がいるよ。」
MG「よし、着いたよ。」
『ありがとうございます。』
MG「お風呂沸いてるからAちゃん入る？」
「俺と一緒に入る？笑」
ぶんぶん首を振るA。そんな拒否らなくてもよくない？笑
パジャマをすっかり忘れてたみたいだから、俺のスウェットを貸してあげる。
「ふはっ、ぶっかぶか笑。自分で髪乾かしちゃったの？」
『……うん。』
「疲れた？眠い？」
『まだ平気。』
キッチンでラーメンを3袋作ってるミンギュを不思議そうに眺めるA。……もう11時だもんね。
「食べる？」
『……大丈夫。』
MG「Aちゃん、ココア飲む？」
『飲みたい、です。』
MG「おっけー、ちょっと待っててね。」
やっと力が抜けて安心したみたい。
MG「はい、どうぞ。」
ラーメンを食べてミンギュと明日以降のスケジュールの話をしてたら、隣からすーっすーっと寝息が聞こえる。
「え？寝てる？」
MG「本当だ笑」
「まじか笑。このまま俺の部屋連れて行くわ。」
MG「うん。おやすみ。」
俺のベッドに寝かせて、首元にAの頭が収まるように抱きしめる。
「おやすみ、A。」
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作者名：すずな | 作成日時：2023年12月8日 4時
