小さな体。 ページ16
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今は帰りの移動車の中。おかしい。昨日の朝からAと連絡が取れない。
「ごめん、ミンギュ。電話かける。」
MG「誰に？」
「A、昨日から連絡が取れない。」
ﾌﾟﾙﾙﾙ
『もしもし、』
「もしもし！？あぁ、よかった。」
『ごめん、色々忙しくて。』
声のトーンがいつもと違う。空元気を装ってるみたいな。
「何かあった？」
『お父さんが昨日倒れて』
「え」
『今朝亡くなったの。』
一瞬頭が真っ白になる。こんなときにすらAのそばにいられない自分への苛立ちが湧き上がる。
『でも、私は大丈夫だから。叔父さんが来てくれるって。明後日お葬式だから、また落ち着いたら連絡するね。心配しないで。」
大丈夫じゃないだろ。心配するななんて無理決まってる。
「…わかった。いつでも連絡して。」
『うん。ありがとう。じゃあまた。』
ピッ
MG「Aちゃん何かあったの…？」
「…お父さんが亡くなったって。」
MG「え……」
「お母さんもAが中学生の頃に亡くなってる。兄弟もいない。」
MG「じゃ、じゃあ、Aちゃんは」
「今一人で、何もかも一人でやってるんだよ。あの小さい体で全部背負って、強がって。なのに、なのに、俺は！すぐに抱きしめてやることもできない。」
MG「ヒョン」
ミンギュに腕を掴まれる。
MG「今はAちゃんのこと待っててあげよう。Aちゃんとたまにカトクで話すだけの俺でこんなに辛いんだから、ヒョンやAちゃんの辛さは計り知れないけど、でも、強がりは長く持たないでしょ？だから、そのとき受け止めてあげられるように待ってよう？」
そうだ。ミンギュの言う通りだ。
「俺にできることは……」
来週はいよいよ4連休で二人で旅行に行く予定。だけど、そんな場合じゃないかもしれない。
MN「…来週の休みまで、夜遅い日はないし、朝もそんなに早くない。責任取れるなら勝手にしろ。」
「ヒョン…！！」
何年もお世話になってるマネヒョンはいつも仏頂面だけど、本当に頼りになる。
「ありがとう。」
MN「…お前の幸せを願ってるのは別にメンバーだけじゃねぇよ。」
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作者名：すずな | 作成日時：2023年12月8日 4時
