羽。 ページ15
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年が明けて、向こう数ヶ月のスケジュールが出た。海外での仕事をもらうことも増えて、旧正月がまるまる休暇になることは滅多になくなった。
事務所で会議をしたあと、帰りながらAにカトクを送ったら丁度Aも帰り道だったから、お互い家に着いて電話をかける。
「あのさ、2月に4連休もらえたよ。」
『え、本当に！？』
「うん。楽しみにしてて。」
旧正月の休日返上の代わりに、記念日を含めた4日間休みをもらうことができた。……どうやらメンバーたちが練習日を必死に調節してくれたらしい。俺は本当にいいやつらに囲まれてるな。
『わぁ、夢みたい。本当に？嘘じゃないよね？』
「うん。本当だよ。」
夢かと思わせてしまうくらい寂しくさせてしまっていたんだなと反省する。
「仕事はどう？」
『ありがたいことに順調だよ。今は連載を2つしてる。』
「単行本、俺もほしい。……読めないけど。」
売れ行きも良くて、ジフンみたいな編集者もにこにこだったらしい。俺のAが世間に見つかっちゃったかと少し寂しい。
『ふふっ、うれしい。会うときに持っていくね。サイン入りにしようか？笑』
「お願いしようかな笑。本屋でも変わらず働いてるんだよね。大丈夫？」
『体力的にキツい日もあるけど、なんとかなってる。』
「無理しないで。俺のことも頼って。」
『うん。ウォヌくんの声を聞くだけで元気いっぱい。』
「聞くだけでいいの？」
『ぎゅーってしてくれたら空も飛べちゃうかも。』
「うん。会ったときにいっぱいしてあげる。」
もう半年こうやって声を聞くだけで俺だって限界だ。俺のエギズだからってディノと会うのも全然いいよって言ったけど、いざその日になったらディノが羨ましくて仕方なくて、今だけ入れ替わり魔法が使えないかなと思った。次会ったときは抱きしめて、キスをして、何時間も離してあげない。
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作者名：すずな | 作成日時：2023年12月8日 4時
