栞を挟むように。Ⅲ〈WN〉 (ページ12)

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友だち。ページ12

You side

ずっと仕舞い込んでいた気持ちを言葉にしたら、重たくなることもある。

VN「どうしたの？」

『え？』

VN「いつもと声のトーンが違うから。」

『バレちゃうか。』

夜9時、スングァンさんとディノの仕事が押しててバーノンさんとふたりで始めたグループ通話。スングァンさんの一言でここでは私も敬語禁止になった。

先週、居酒屋で二人と話したことをバーノンさんに伝える。

VN「なるほどね。」

『このまま韓国に行ったら、ウォヌくんに依存しちゃうかもしれない……』

VN「もっと色んな面から考えてみたらいいんじゃない？100%ウォヌヒョンのためだとたしかにAが言う通り崩れちゃうから。例えば、ソウルの美術館に通いたい、映画館が日本より安くて行きやすい、そういうヒョンには関係ないAひとりのメリットや目的があればいいと思う。」

『……韓国語で何か仕事がしてみたい。』

VN「うん。そういうのでいいんだよ。あとはヒョンの気持ちだね。俺も二人と一緒で心配することないと思うけど、Aはヒョンから直接聞かないと安心できないでしょ？でも、聞くのにも勇気がいるし、ゆっくりでいいと思うよ。」

『うん。ありがとう。』

そうだ、焦ることない。ゆっくりでいいんだ。年明けに会えたときに聞けたらいいなくらいでいい。

SG「やーボノナー！良いこと言うね！」

VN「あ、スングァンいたの。」

『え、いつからいたの？』

SG「依存しちゃうからら辺？」

ちゃんと全部聞いてる。

SG「僕たちのことも目的にしてくれていいよ。ソウルにはいつでも会える友だちが3人もいる。」

VN「別にAはいつでも会いたくないかもよ。」

SG「あーちんちゃ！ボノナ」

『ふはっ、会いたいよ。』

いつも通りの空気に目頭が熱くなる。

DN「ごめんなさい！遅くなった。」

SG「やーディノや台無しだよ。今感動的な雰囲気だったのに。」

DN「え？ごめん？」

VN「大丈夫。その前にスングァンが自分で雰囲気壊してたから。」

今日もスングァンはぷりぷりしてて可愛い。