栞を挟むように。Ⅲ〈WN〉 (ページ11)

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重い。ページ11

You side

『なんだろう。』

いろんな大きさの箱や紙袋がいっぱい入ってる。

DN「あ、俺らのアルバムじゃん！！」

『本当だ！！……しかも私が持ってないやつだけ！え～うれしいなぁ。』

DN「だから、そんな重かったのか…」

『ありがとう。いっぱい聴くね。』

俺のおすすめは…ってチャニが一枚ずつ教えてくれる。

ﾋﾟｺﾝｯ

『ん？私のじゃない。チャニのスマホだ。』

DN「あ、ディエイトヒョンが美術館出たからそっち行ってもいい？って」

『私は全然いいけど。』

DN「おっけー。呼ぶねー。」

15分ほどで現れたロングコートがよく似合う細身のお兄さん。

MH「急にごめんね。ソ・ミョンホです。発音が色々あるから好きなように呼んでくれていいよ。ウォヌヒョンにはミョンホって呼ばれてる。」

優しい声に優しい笑顔。癒しの空気を纏った人だな。

『古川Aです。よろしくお願いします。』

DN「よし、もう一回乾杯しよう。」

ミョンホさんと一緒に喋りすぎてお腹が空いた私たちも色々つまむ。

DN「Aは、ウォヌヒョンと付き合って10か月くらい経つけど結婚したいなぁとかないの？」

『……急にぶっこむね。』

DN「だって、僕たちは特殊な職業だし、他の人に相談するのも大変でしょ？」

チャニは本当に真っ直ぐで優しい。

MH「うん。僕たちで良かったら聞くよ。」

『活動のことや兵役のことを考えたら、結婚はまだまだ先かなって思ってる。」

DN「そっかぁ。」

『でも、仕事をそれなりに依頼してもらっていて、来年くらいには仕事を辞めても大丈夫そうな気もして。』

MH「すごいね。かっこいい。」

『そうなったら、執筆はどこでもできるから韓国に引っ越そうかと思ったりもしてるんだけど、重いかなって』

DN「重い？ウォヌヒョンにとって？」

『うん。私がウォヌくんのために移住したら、責任や考えたくないけど別れにくさを感じるならやめた方がいいのかなって。』

ずっと心の中でぐるぐるしてた気持ち。

MH「考えすぎだと思うよ。ウォヌヒョンはよくAちゃんの話をするし、疲れたときは会いたいって言うことが増える。近くにいてくれたらただ単純にうれしいんじゃないかな。」

『そうですかね……』

DN「ウォヌヒョンにも言ってみな？多分大喜びだと思うけど。」

愛されている自覚はある。でも、それはウォヌくんを縛り付けていい理由にはならないから……