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『……私がいなくても私がいつもしてることをみんながしたら仕事は終わるし、店は営業できる。当たり前なんです。でも、逆に考えると、私がいなくても平気で、働いているのが私じゃなくても大丈夫。いつも大したことしてないからわかってたはずなのに、勝手に苦しくなっちゃうんです。』
言葉を詰まらせながら最後まで話してくれた。何も気にすることないのに、また自分で自分を追い詰めてる。
「なんで今日みんな頑張って準備したと思う?」
『え、あ、そうしないとお店を開けないから、』
「違う、Aのためだよ。」
『え?』
「Aを助けたい、ちゃんと休ませてあげたい、ディノなんてヌナに褒められたいって言って仕事してた。俺が今ここにいるのも、みんながAがひとりぼっちだと心細いだろうからって手伝ってくれたからだよ。」
ディノのことは言ったら、あとでぷりぷりされちゃうかな。
『私の、ため、』
「うん。ディノの納品も手こずるし、陳列もてんやわんやだったし、みんな安心させるためにカッコつけてカトク送ってたみたいだけど、Aがいないとダメダメだって実感した。」
……今もテンパってないか心配だけど。
「ここがずっとAの居場所であってほしい。そのために俺たちは頑張ってる。」
俺は特に君とずっと一緒にいるために。
いつものきらきらした笑顔が早く見たいよ。
『こんなに考えてもらってるのに私って馬鹿ですね。』
「誰でも不安になるときはある。大丈夫。」
『……ありがとうございます。』
やっと涙が止まって安心した顔が見れた気がする。
「ずっと起きてた?」
『いや、寝ちゃってました。』
うん。さっきよりは少し顔色がよくなった気がする。
「よかった。最近寝れてないみたいだったから。」
体も楽になったかな。
「今日何がしたい?ゆっくりしよう。」
『ドラマ、』
「ん?」
『今季のドラマまだ見れてなくて。多分ウォヌさんも好きだと思います!』
ダークな探偵もので4話まで溜まってるらしい。
「ん。観よう。」
『ふふっ、うれしいです。』
二人とも朝ご飯を食べるのを忘れてたから、朝昼兼用で簡単にラーメンを作って鍋のままつついた。
「ん。おいで。」
ソファをとんとんと叩くと、紅茶を淹れたマグカップを持ってきたA。
『デカフェのアールグレイです。ゆったりしたいから今日はカフェイン抜き。』
「俺らはもう効かないけどね笑。」
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すずな(プロフ) - ゆにさん» ゆにさま、リクエストありがとうございます!お時間いただきますが、投稿をお待ちいただけたらうれしいです♡ (3月9日 21時) (レス) id: 2b89f0e809 (このIDを非表示/違反報告)
ゆに(プロフ) - いつも楽しく読んでいます!☺︎もしよろしければ、妊娠発覚や出産時のお話も読みたいです...! (3月8日 10時) (レス) id: 39bd297dc3 (このIDを非表示/違反報告)
すずな(プロフ) - N。さん» こちらこそ書くのが楽しかったです!目撃オッパを実兄にするかも迷ったんですけど、ハニさんはその場で喧嘩売りに行くだろうなぁと思って笑、ジスオッパを召喚しました〜!周りにイケメンが12人もいるだけで大変なのに……強く生きてウォヌさん!笑 (2月12日 17時) (レス) @page28 id: 2b89f0e809 (このIDを非表示/違反報告)
N。(プロフ) - リクエスト応えていただきありがとうございます!!私の言葉足らずな文にもかかわらず、、。素敵なお話にして下さり嬉しいです!女の子の周りイケメン多すぎて、きっと元彼も出る幕ないですよね。まず兄にぶっ飛ばされる笑 (2月12日 7時) (レス) id: 033fb33b6a (このIDを非表示/違反報告)
すずな(プロフ) - ゆにっとさん» 返信遅くなってごめんなさい!本編を最後まで読んでいただけてうれしいです!温かい読者の皆さまに支えられて、ここまで優しい物語が書けたと思っています♡短編集にはなりましたがこれからもご愛読いただけたら幸せです! (2月11日 21時) (レス) id: 2b89f0e809 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すずな | 作成日時:2024年1月28日 9時