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WN side
JN「チョコレート系は終わった!ウォヌ、手伝うことある?」
「あー、シューフレーズのクリーム詰めてもらっていい?ディプロマットにいちごピューレを混ぜ込んで、量はシューショコラと同じ。計量は済ませてるから混ぜるだけ。」
JN「はーい。」
俺はショートケーキの仕上げ。一切れ持って上がったら喜ぶかな。いや、今日は負担になるか。
VN「ダックワーズ出来ました。」
「ありがとう。」
バーノンもダックワーズをクリームを挟むところまで仕上げてくれた。
VN「アイスやります。」
いつもAがやってくれる仕事まで、みんないつもの1.5倍くらいのスピードで動いてる気がする。
DN「明日ヌナ褒めてくれるかな……。」
慣れない作業までこなしてくれたディノ。そりゃ元気になったらうりうりされるだろう。
「よし、完成。」
JN「あとは僕たちにまかせて。」
「ごめん。よろしく頼む。」
階段を駆け上がって、家の扉を開ける。いつもAが開けてくれるカーテンが閉まったままで暗い家。マグカップすら出てないからまだ寝室かな。
「A、」
『ウォヌさん?』
仰向けのまま、ボロボロ涙を流してたA。
「ん。ただいま。」
まだ昼過ぎなのに俺が帰ってきたことに戸惑ってる。そっと涙を拭いて目線を合わせる。
「そばにいたくて帰ってきた。店は三人が開けてくれる。」
『そうですか……。』
コック服のまま布団に入るのは流石に良くないから、ささっと部屋着に着替えて、布団の中でAを抱き寄せる。
「A、疲れちゃったな。」
茹だるような夏が開けて、食欲の秋。おでかけや散歩ついでに来てくれるお客さんが多くて、カフェやケーキ屋が繁盛する季節。ハロウィンもあって、クリスマスの準備もしなきゃいけなくて、いっぱいっぱいにもなる。
『ウォヌさんも同じじゃないですか。』
「うーん、」
俺みたいにひとつの仕事を黙々とやるのは体力さえあれば意外と楽で、接客と包装と製造を全部縦横無尽にやってるAのほうが精神的にきついって言っても伝わらないんだろうな。
『情けないです。みんなに迷惑かけて。』
「大丈夫。なんとかやったから。」
『それもそれで苦しくて、……あ、ごめんなさい。』
「ん?いいよ。聞かせてほしい。」
Aにこびりついてるしがらみを全部解いてやりたい。
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すずな(プロフ) - ゆにさん» ゆにさま、リクエストありがとうございます!お時間いただきますが、投稿をお待ちいただけたらうれしいです♡ (3月9日 21時) (レス) id: 2b89f0e809 (このIDを非表示/違反報告)
ゆに(プロフ) - いつも楽しく読んでいます!☺︎もしよろしければ、妊娠発覚や出産時のお話も読みたいです...! (3月8日 10時) (レス) id: 39bd297dc3 (このIDを非表示/違反報告)
すずな(プロフ) - N。さん» こちらこそ書くのが楽しかったです!目撃オッパを実兄にするかも迷ったんですけど、ハニさんはその場で喧嘩売りに行くだろうなぁと思って笑、ジスオッパを召喚しました〜!周りにイケメンが12人もいるだけで大変なのに……強く生きてウォヌさん!笑 (2月12日 17時) (レス) @page28 id: 2b89f0e809 (このIDを非表示/違反報告)
N。(プロフ) - リクエスト応えていただきありがとうございます!!私の言葉足らずな文にもかかわらず、、。素敵なお話にして下さり嬉しいです!女の子の周りイケメン多すぎて、きっと元彼も出る幕ないですよね。まず兄にぶっ飛ばされる笑 (2月12日 7時) (レス) id: 033fb33b6a (このIDを非表示/違反報告)
すずな(プロフ) - ゆにっとさん» 返信遅くなってごめんなさい!本編を最後まで読んでいただけてうれしいです!温かい読者の皆さまに支えられて、ここまで優しい物語が書けたと思っています♡短編集にはなりましたがこれからもご愛読いただけたら幸せです! (2月11日 21時) (レス) id: 2b89f0e809 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すずな | 作成日時:2024年1月28日 9時