・ ページ24
WN side
『午後からディノくん来てくれるので、上の準備してきます！』
「うん。よろしく。」
戻ってきてそのまま足を止めずに2階に登っていった。
こそこそと入ってくる目深にキャップを被った男の人。
??「……こんにちは？」
きらきらの瞳に澄んだ優しい声。
「えっと、あ、ジスさん？」
JS「ふふ、久しぶり。」
「ご無沙汰してます。」
結婚祝いでスンチョルさんも一緒に鉄板焼きに連れてもらった以来。……あの日は緊張しすぎて肉も喉を通らなかった。Aがいっぱい食べてたからいいけど。
JS「……Aちゃんは？」
「今、上にいますけど呼びましょうか？」
JS「いや、いい。なんならその方がいい。」
Aがいない方がいいって、俺に話があるってこと？
JS「……さっき店から出てきたのってミノくんだよね？」
「え？」
JS「店前でAちゃんが見えて話しかけようとしたら、見覚えのある男も出てきたから。」
「名前は聞いてませんけど、Aの大学の同級生なんですよね？」
JS「あーAちゃん、それしか言ってないのか。」
……嫌な感というのは当たるもので、
JS「別にウォヌくんに言う話じゃないと思うんだけど。ミノくんはAちゃんの元カレ。別れてから大学以外で会った話聞かないからてっきり縁切れたんだと思ってた笑。」
彼に対するAの砕けた話し方、俺にはしないタメ口が、脳内で反響する。
JS「……そんな心配するようなことはないと思う。でも、」
「なんですか？」
JS「僕が知ってる限り、中2から結婚するまでで付き合ったのは彼一人。」
……Aのたった一人の元彼。キスも、ハグも、デートも、体を重ねたのも、あの男が初めてだったってことか。……全部俺だったらよかったのに。
「今日来たのが初めてじゃないんです。……この2か月で10回くらいですかね。」
JS「そうなんだ…。なんもないと思うけど、僕でよければいつでも話聞くから。」
「ありがとうございます。」
ジスさんは雑誌撮影の差し入れにするとプティガトーを20個ほど買って、店を出ていった。
『よいしょ。終わりました〜。』
「A、」
『はい！……わっ、』
不安でたまらなくて、Aを抱きしめる。素直に俺の胸元に収まるA。……ずっとこうしておきたい。
『ど、どうしましたか？』
「……俺の名前呼んで？」
『え、……ウォヌさん、』
「もう一回。」
『ウォヌさん。』
あの男を呼び捨てで呼ぶ声を、俺を呼ぶ声で塗り替える。
DN「おはようございまーす。……何やってるんですか。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 990人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
すずな(プロフ) - ゆにさん» ゆにさま、リクエストありがとうございます！お時間いただきますが、投稿をお待ちいただけたらうれしいです♡ (3月9日 21時) (
レス) id: 2b89f0e809 (このIDを非表示/違反報告)
ゆに(プロフ) - いつも楽しく読んでいます！☺︎もしよろしければ、妊娠発覚や出産時のお話も読みたいです...！ (3月8日 10時) (レス) id: 39bd297dc3 (このIDを非表示/違反報告)
すずな(プロフ) - N。さん» こちらこそ書くのが楽しかったです！目撃オッパを実兄にするかも迷ったんですけど、ハニさんはその場で喧嘩売りに行くだろうなぁと思って笑、ジスオッパを召喚しました〜！周りにイケメンが12人もいるだけで大変なのに……強く生きてウォヌさん！笑 (2月12日 17時) (レス) @page28 id: 2b89f0e809 (このIDを非表示/違反報告)
N。(プロフ) - リクエスト応えていただきありがとうございます！！私の言葉足らずな文にもかかわらず、、。素敵なお話にして下さり嬉しいです！女の子の周りイケメン多すぎて、きっと元彼も出る幕ないですよね。まず兄にぶっ飛ばされる笑 (2月12日 7時) (レス) id: 033fb33b6a (このIDを非表示/違反報告)
すずな(プロフ) - ゆにっとさん» 返信遅くなってごめんなさい！本編を最後まで読んでいただけてうれしいです！温かい読者の皆さまに支えられて、ここまで優しい物語が書けたと思っています♡短編集にはなりましたがこれからもご愛読いただけたら幸せです！ (2月11日 21時) (レス) id: 2b89f0e809 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：すずな | 作成日時：2024年1月28日 9時
