ミルフィーユ。〈WN〉 ページ13
初めて喧嘩っぽいことをする話。
『ウォヌさん、カフェラテのマグカップはちゃんと浸けてください！』
「あ、ごめん。」
今週2回目。
『なんで脱いだ靴下がソファの下にあるんですか！』
今月6回目。
『あ、私のマカロン、最後の一個だったのに。』
「え、ごめん。」
『……私が名前を書いてないのが悪かったんです。』
今年3回目。
普段なら平気なことが何故か無性に苛々する。いつもならマグカップは私が浸けておいて次の食器洗いのときにしたらいいやって思えるし、靴下だって洗面所行くついでにカゴに入れたらいいだけ、スイーツは私と好みが同じなんだってうれしいくらいだったのに。なんでこんなにモヤモヤするんだろう。
「ん。おいで。」
寝るときに抱きしめてくれるのもいつもなら幸せで仕方ない時間なのに、モヤモヤを洗い流そうとされてるみたいでまたモヤモヤが増える。
仕事終わり、お腹が空いて空いて仕方なくて、ラーメンを2玉作って啜る。
「ふはっ、よく食べるね。」
もっと少食で、可愛いお皿にミルフィーユをちょこんとひとつだけ乗せるような女の子の方がよかったかな。こんなにいっぱい食べる子はやっぱり嫌なのかな。
「最近、お寝坊さんだ。」
……私とウォヌさんは倦怠期ってやつなのか。いや、私が一方的にモヤモヤしてるだけだ。起きるのが遅いって言ったって、ミンギュさんの配達にはちゃんと間に合ってる。でも、たしかにウォヌさんと一緒に起きて朝ごはんを食べることは減った。……バイバイしたくない。モヤモヤしてる私が悪いのにそんなことを考えてしまう。大好きなのに、大好きなはずなのになんで。
「最近なんかあった？俺がしちゃったかな。」
『ううん。』
「そっか。雰囲気変わった気がして。」
ウォヌさんが好きでいてくれる私じゃなくなっちゃったのかな。全部可愛く言えたら全部丸く収まるけど、口煩いお母さんみたいになってしまう自信しかないから、言えない。
「喫茶のコンロのロックされてなかったけど。」
『……ごめんなさい。』
「それ本当に思ってる？」
……いつも私だってそう言いたい。
『ごめんなさい。気をつけます。』
「はぁ、」
突然のため息に体がびくっとなる。
「やっぱ最近おかしいよ。いつものAじゃない。」
『……だったらなんですか。』
見たことないくらい冷たい目をしたウォヌさんと目が合う。
「はぁ、そっちがそういうつもりなら、俺もどうでもいい。」
どうでもいい、か。
その日は4か月ぶりに自分のベッドで寝た。
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すずな(プロフ) - ゆにさん» ゆにさま、リクエストありがとうございます！お時間いただきますが、投稿をお待ちいただけたらうれしいです♡ (3月9日 21時) (
レス) id: 2b89f0e809 (このIDを非表示/違反報告)
ゆに(プロフ) - いつも楽しく読んでいます！☺︎もしよろしければ、妊娠発覚や出産時のお話も読みたいです...！ (3月8日 10時) (レス) id: 39bd297dc3 (このIDを非表示/違反報告)
すずな(プロフ) - N。さん» こちらこそ書くのが楽しかったです！目撃オッパを実兄にするかも迷ったんですけど、ハニさんはその場で喧嘩売りに行くだろうなぁと思って笑、ジスオッパを召喚しました〜！周りにイケメンが12人もいるだけで大変なのに……強く生きてウォヌさん！笑 (2月12日 17時) (レス) @page28 id: 2b89f0e809 (このIDを非表示/違反報告)
N。(プロフ) - リクエスト応えていただきありがとうございます！！私の言葉足らずな文にもかかわらず、、。素敵なお話にして下さり嬉しいです！女の子の周りイケメン多すぎて、きっと元彼も出る幕ないですよね。まず兄にぶっ飛ばされる笑 (2月12日 7時) (レス) id: 033fb33b6a (このIDを非表示/違反報告)
すずな(プロフ) - ゆにっとさん» 返信遅くなってごめんなさい！本編を最後まで読んでいただけてうれしいです！温かい読者の皆さまに支えられて、ここまで優しい物語が書けたと思っています♡短編集にはなりましたがこれからもご愛読いただけたら幸せです！ (2月11日 21時) (レス) id: 2b89f0e809 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すずな | 作成日時：2024年1月28日 9時
