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MH「おまたせしました！熱いから気をつけて。」
大きなマグカップに注がれたメープル色の液体。ふーふーっと水面を揺らしてから、ひと口飲む。
『……おいしいっ、』
おばあちゃんちで飲んだ中国茶のように落ち着く味にぼろぼろと涙が溢れてくる。初対面の人の前で何やってるんだろう。
MH「だいじょぶですか？熱かった？？」
『違います。違うんです。おいしくてそれで。ごめんなさい。』
MH「なんも気にしなくていいですよ〜？ゆっくりのんで、くださいね！」
茶葉の味もそうだけど目の前で優しく微笑むお兄さんが淹れてくれたからこんなに美味しいんだろうな。
MH「高校生、ですか？」
『はい。3年生です。』
MH「韓国の高校生は大変なんですよね？マスター。」
「おう。あれは生きてても死んでるようなもんさ。俺は途中でバックれて紅茶屋になったけど。」
MH「僕は中国からの留学生です。大学1年生。ここで働きたくて韓国に来ました！」
年はひとつしか変わらないのに単身で異国の地に。すごいな。私にはそんな勇気ないな。
「受験や学校なんかで思い詰めるな。それがすべてじゃない。」
マスターの言葉にまた涙が出そうになりながら、ゆっくりゆっくり紅茶を飲み干す。
MH「ありがとう、ございます！」
空になったマグカップを受け取って、嬉しそうに微笑むお兄さん。
『え？』
MH「ぜんぶ飲んでくれたから。」
「こいつお客さんに淹れるの今が初めてだったんだ。」
ネタバラシをされたお兄さんは照れ臭そうに目を逸らす。
それからお兄さんとお話ししながら、私が好きそうな茶葉を選んでもらって一箱買った。もう財布に数百円しか残ってないけどいいや。
MH「わっ、重たっ、」
鞄を渡そうとして、その重さにびっくりするお兄さん。
MH「近くに住んでるんですか？」
『いや、電車で。』
わー大変って眉尻を下げて心配してくれる。
「ミョンホ、改札まで送ってあげなさい。」
『え、あ、大丈夫です！』
MH「ふふっ、行きましょう！」
紙袋はお兄さんが持ってくれて、紅茶やケーキの話をしてたら、あっという間に改札に着いた。
『ありがとうございました！』
MH「あの、僕はソ・ミョンホと言います。」
『ユン・Aです。』
MH「またお茶を飲みにくるだけでも、いつでも来てくださいね！」
『はい！』
それからは、学校が少しでも早く終わったらミョンホさんに会いに行った。大学に入ってからは空きコマにに行ったり、バイト代でいろんな茶葉を買ったり、たくさんの知識と安心を与えてくれた場所。ミョンホさんが独り立ちしてから、マスターは店を畳んで旅に出てしまった。今頃どこにいるんだろう。
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すずな(プロフ) - ゆにさん» ゆにさま、リクエストありがとうございます！お時間いただきますが、投稿をお待ちいただけたらうれしいです♡ (3月9日 21時) (
レス) id: 2b89f0e809 (このIDを非表示/違反報告)
ゆに(プロフ) - いつも楽しく読んでいます！☺︎もしよろしければ、妊娠発覚や出産時のお話も読みたいです...！ (3月8日 10時) (レス) id: 39bd297dc3 (このIDを非表示/違反報告)
すずな(プロフ) - N。さん» こちらこそ書くのが楽しかったです！目撃オッパを実兄にするかも迷ったんですけど、ハニさんはその場で喧嘩売りに行くだろうなぁと思って笑、ジスオッパを召喚しました〜！周りにイケメンが12人もいるだけで大変なのに……強く生きてウォヌさん！笑 (2月12日 17時) (レス) @page28 id: 2b89f0e809 (このIDを非表示/違反報告)
N。(プロフ) - リクエスト応えていただきありがとうございます！！私の言葉足らずな文にもかかわらず、、。素敵なお話にして下さり嬉しいです！女の子の周りイケメン多すぎて、きっと元彼も出る幕ないですよね。まず兄にぶっ飛ばされる笑 (2月12日 7時) (レス) id: 033fb33b6a (このIDを非表示/違反報告)
すずな(プロフ) - ゆにっとさん» 返信遅くなってごめんなさい！本編を最後まで読んでいただけてうれしいです！温かい読者の皆さまに支えられて、ここまで優しい物語が書けたと思っています♡短編集にはなりましたがこれからもご愛読いただけたら幸せです！ (2月11日 21時) (レス) id: 2b89f0e809 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すずな | 作成日時：2024年1月28日 9時
