リップ。 ページ45
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AM4:46、あと5分くらいでAも起きるだろうけど、一足先に目が覚めたみたいだ。
1時間経ったら車に乗って、その40分後にはバイバイ。
あっという間だったな。
『ん……ウォヌく……』
「ごめん、起こしちゃった…？おはよ。」
みるみるうちに涙がたまっていくAの目。
「早いよ……笑」
起き上がって手を広げると飛び込んでくるA。
「Aが昨日荷造りしてくれたから、ちょっとゆっくりできるね。」
『うん…』
「Aも明日からお仕事？」
『うん……』
「そっかぁ、Aのこと待ってるお客さんがたくさんいるね。」
『……ウォヌくんは？』
「ん？」
『ウォヌくんは、私のこといらない…？』
そんなの…いるに決まってる。本当はこのまま家に連れて帰ってしまいたい。
「ずっと一緒にいたいけど、今はそれぞれたくさんの人に必要とされてるところでもう少し頑張ろ？それで俺と電話して、そしたらたくさん褒めてあげる。だから、Aも俺が頑張ったら褒めてね？」
『…わかった。』
「ん、いい子。」
寂しくてちょっと幼くなってしまったようなAがかわいいくて、そっと口付ける。
『もう一回して…？』
「何回でもしてあげるよ。」
抱きしめて何回もキスをしてたら、あっという間に出発10分前になってて、慌てて身支度をしてホテルを飛び出た。
『もう！日焼け止めと眉毛しかできなかったですよ！』
助手席でぷりぷりしながら色付きリップをするA。やばい、キスしたい。
「ごめんごめん。何もしなくてもかわいいよ？」
Aが可愛すぎて止まらなくなったから、Aが悪い。
「よし、到着。」
『ありがと。』
「荷物下ろすから待ってて。」
後ろに回って、Aのトランクを出す。
「ドアの横に置いておいたから。」
空港は記者が張り込んでたりするから、あまり二人で出ない方がいい。
「次は俺が会いに行くから。」
『無理しなくていいよ…？』
涙を抑えて笑顔を作るA。
「無理してない。会いたいから行くんだよ。」
『うん。ありがとう。じゃあ行くね。』
扉を開けようとしたウタを抱き寄せて、額と額をくっつける。
「毎日連絡する。遠慮しない。ちゃんと寝てちゃんと食べる。約束ね？」
『うん。やくそく。』
目の前の瞳から涙がポロポロと落ちた。
『大好きだよ。またね。』
「俺も。」
自動ドアに辿り着くまでこっちを振り返って手を振るA。
「うわぁ、練習行きたくねぇ。」
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作者名：すずな | 作成日時：2023年11月20日 16時
