栞を挟むように。〈WN〉 (ページ41)

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天辺。ページ41

You side

「ふふっ、おはよ、A」

『……ぉはよ…ござ…まふ…』

目が覚めたらふわふわのぬくもりに包まれていた。
何回か瞬きをして目の焦点を合わせたら目の前にウォヌさんがいる。あれ、私なんで

『………夢？』

「んははっ、夢じゃないよ笑
忘れちゃったの？お酒も飲んでないのに？」

ウォヌさんに頭を撫でられるのは気持ちがいい。
あ。だんだん意識がはっきりしてくる。

『んー……私の恋人のウォヌさん……』

「そう。Aの恋人のウォヌです笑。」

まだ寝ぼけてるふりをして、ウォヌさんに抱きつくとぎゅーっと抱きしめ返してくれる。

「お目覚めの一杯は紅茶と珈琲どっちがいいですか？お嬢さま。」

『……紅茶がいいです。』

「じゃあ、布団から出よ？」

『それは眠いです……』

「ふはっ…よく寝てたね？笑」

『今何時ですか……』

「10時くらい。」

うわ、初めて一緒に寝た人としっかり7時間寝ちゃった。

『ウォヌさん、腕痛くないですか？』

「ううん、全然。軽いね、A。」

『そんなことないです……』

「普段でっかいのと戯れてると、Aなんて子猫みたいなもんだよ笑」

『でっかいの……あと12人いるんでしたっけ？』

「そう。高校？中学？のころからみんな一緒にいるから、距離感バグってる……笑笑」

おしゃべりしてたら眠気が落ち着いたから、がばっと起き上がる。

『きらきらしてた。』

「ん？」

『ミュージックビデオ3本くらい観ました。』

「え！ほんと...？笑
誰が一番カッコよかった？」

『………ミンギュさん』

ちょっと意地悪を言ってみる。

「え………」

ふふっ、ウォヌさんの初めて見る顔。

『嘘です、ウォヌくんです。』

言いながら布団に潜る。自分で冗談を言ったのにいざ本心を伝えると恥ずかしくなった。

わわわーっ

布団から引きずり出されて、ウォヌくんの膝の上。
膝の上……！？

「やった。うれしい。」

そのままぎゅーっと抱きしめられる。

「………今、ウォヌくんって呼んだ？」

『……うん
ウォヌくんも呼び捨てにしてるもん。』

「あれ、気づいちゃった？」

『……ウォヌくんに名前呼ばれるの好きです。』

付き合えただけで幸せの天辺だと思ってたのに。

恋人のウォヌくんは思ってたより甘いです。