栞を挟むように。〈WN〉 (ページ37)

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アルバム。ページ37

You side

「ウォヌさん、何飲みますか？」

『ブラックかな。』

「わかりました！ちょっと待っててください。」

夜ごはんをご馳走になってしまった。
ホテルに向かう途中、スタバがあったのでウォヌさんの分も買いに行く。今回できっと会えるのは最後だから借りを作りたくない。

『カムサハムニダー』

紙袋を受け取って車に戻る。現地の人と話すと、ウォヌさんがどれだけ優しくゆっくり私に伝わるように話してたのかがわかる。
これ以上は好きになっちゃ駄目だと頭をブンブン振る。

『お待たせしました…！』

「おかえり。」

『これウォヌさんの分です。』

「ありがとう。」

夜の高速道路は好きだけど今の私には寂しすぎる。

「あと30分くらいかかるから音楽流そうか。Aさんが好きなの聴きたい。Bluetooth繋げていいよ。」

『はい！えっと...どうやったらいいんだ...？』

「ははっ、オーディオって書いてるところを押して...」

日本のシンガーソングライターのアルバムを流す。

「いいね。Aさんっぽい。」

緩やかに上がる口角と光の入った切長の目。
そんなに優しく笑いかけないで。このアルバムまで苦しい恋心に染まってしまうから。

「ツインの部屋予約したんだけど大丈夫？ベッドの位置は離れてるみたいなんだけど。」

部屋のこと全然考えてなかった……。好きな人と朝まで同じ部屋？

「チェックインするときにシングル空いてるか聞いてみようか…？」

異国の地で一晩ひとりぼっち...？

『一人は不安なので、同じ部屋がいいです…!
もしウォヌさんがいいなら…』

「俺がいいならって、俺が予約したんだからいいに決まってるでしょ？笑」

高速を降りた。どうやら郊外まで来たらしい。

「Aさん、ホテル着いたらすぐ寝る？」

『へっ！？』

「あ、いや、変な意味じゃなくて！夜中まで起きてるなら、コンビニ寄って甘いものとか買わない？」

あぶない、変な勘違いをするとこだった。

『はい！そうしましょう。
ウォヌさんが好きなお菓子食べてみたいです。』