夢じゃない。 ページ36
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出口から右に行って30mくらいのところに止まってます。
もうそろそろかな。あ、あの子かな。きょろきょろしてるもこもこの女の子。
助手席のドアを開けると気づいたようで小走りしてる。かわいい。
『お迎えありがとうございます。』
「ひさしぶり。あ、荷物後ろ乗っけた方がいいか。」
『...私も後ろ乗った方がいいですよね？』
「助手席乗りたくない...?」
難しい顔をして何かを気にしてるみたい。
『全然！そういうわけじゃないんですけど...』
「じゃあ、助手席乗って。」
半ば強制的にエスコートする。エスコート慣れしてない感じが可愛い。
「飛行機疲れた？大丈夫？」
『初めて飛行機乗りました...！パスポート取ったのも初めてで...』
「そっかぁ。怖くなかった？」
『ちょっと怖かったです。でも、すぐ慣れると思います！』
今でも怖いけど、はじめての飛行機は比べものにならないくらい緊張して、靴を脱いで乗るって誰かが教えたらそれを信じてたメンバーもいたな。
俺のためにパスポートまで取ってくれたと思うとすこしニヤニヤしてしまう。
「お腹空いてる？」
『空きました』
「よし！参鶏湯予約してるから行こうか」
また難しい顔してる。
「Aさん、緊張してる？」
『やっと会えたから、もしかしたらまだ夢かもなって。』
「大丈夫、夢じゃないよ。」
頭をぽんぽんと撫でてあげる。Aさんは目尻をたらして本当に幸せそうに笑う。ずっと撫でてたいけど、安全運転第一だから抑える。
「お酒飲む？」
『大丈夫です。...多分すっごい弱いので。』
「そうなんだ？笑」
また新しいことを知れた。
『あふっ...』
ふーふーし忘れて、はふはふしてるところ。
『ふーふーっ、、ふーっ』
その次から念入りにふーふーしてるところ。
『ん！美味しい！辛いの苦手じゃないかも…！』
キムチを一口食べられただけで謎の自信が着くところ。
愛おしい。君の隣でずっと見ていたい。
『んーんんーんんーー！』
「なぁに？もぐもぐしてるからわからないよ笑」
『……そんなに見つめられると恥ずかしいです…』
「ふふっごめん。」
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作者名：すずな | 作成日時：2023年11月20日 16時
