栞を挟むように。〈WN〉 (ページ29)

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犬と猫。ページ29

WN side

年が明けて、数日。

日本に行ったり韓国で授賞式に出たりしてたら、あっというまに年が明けてしまった。やっと休みの今日はとりあえず昼前まで寝て、ゲームをしていた。

雑貨屋さんにレターセットを選びに行ったり、お返しのクリスマスカードを買ったり、そのクリスマスカードが当日に間に合うように走って郵便局に行ったり、今までの自分じゃ考えられなかったことをしてる。学生時代に丁寧にノートを取って綺麗に字が書けるようになっとけばよかった。少し後悔してる。

3往復もすると、彼女の好きなものだけじゃなくて苦手なものまで聞くようになってきた。

鶏、カエル、ホラー。

予期せぬ行動をするものが苦手だと彼女は言ってたけど、大の怖がりなんだろう。でも、そういう遠回りな言い方で誤魔化そうとするところが俺には可愛くて仕方ない。一緒にホラーゲームをしたらどんな反応をするんだろう。...提案しただけで嫌われちゃうかもしれないからやめておこう。

俺が雪景色の写真を入れて送ったら、返事に葉牡丹の写真が入っていた。近所の公園で咲いているらしい。

東野圭吾を何冊か読んだこと、冬を舞台にした映画のこと、日本のコンビニおでんのこと、回を増すごとに緊張感が抜けてたくさんのことを話してくれる。

MG「うぉぬひょーん」

スーパーに行ってたミンギュが帰ってきたみたいだ。

「んー？」

MG「ポストになんか届いてたよ…？」

受け取ると差出人はAさん。

ミンギュが心配そうな顔をしてる。
あぁ、俺がなんか困ってるのかと思ってんのか。

「大丈夫。仲良しの文通友達だよ。」

立ってていても俺より背が高い弟を座ったまま頭を撫でるのは無茶だから、指先を握ってやる。

MG「よかった！！ヒョン今日夜ごはん食べに行かない？」

「いいよ。行きたいとこ決めときな。」

ペーパーナイフの扱いにも緊張しなくなってきた。
しゃーっと封を開けて、便箋を取り出す。

"そういえば、連絡先のメモに書いてあったIDは何のIDだったのでしょうか？"

あ……すっかり忘れてた。これを説明しておけばもっと早く連絡が取れたのに！すぐに説明するために返事を書こうと便箋を取り出す。……でも、文通をしなきゃこんなに一生懸命言葉を選ぶことも、一言一言に心が躍ることもなかったんだろう。
あとは何を書こうか。最近の同居人の失敗、近所の犬に追いかけ回された話、でも猫には大体懐かれる話、どれがいいかな。