チェブラーシカ。 ページ25
You side
ちゃん届いたかな。
3年離れていた韓国語は自信がなかった。元から試験のために丸暗記してたようなもんだったし。
テキストを読んでみたら文法は意外と覚えてたから、大学で買わされた日韓辞典を必死に引いてなんとか文章にした。
韓国に手紙が着くのには1週間かかるらしい。
飛行機だったら2時間半。
沖縄と変わらないのにそんなにかかるのか。
送ってから10日。返事が来るまで早くてもあと5日はかかるだろう。胃が痛くなりそう...。
『会いに行った方が早いじゃん...』
やばいやばい。返事が来るかもわからない。
向こうはもう東京で女の子に声をかけたのなんて覚えてないかもしれない。
『それは寂しいよ……』
KW「なんかAちゃん、最近一人言多いね。」
『え、あ、口から出てましたか？ごめんなさい。』
KW「ふふ、あと何枚？」
『とりあえず今日注文分は終わったんですけど、…どうせ明日も買いに来る方多いから、あと10枚ずつくらい作ろうかなって。』
KW「がんばるね〜。店長にクリスマスプレゼント買ってもらいな〜。」
12月に入って、街は完全にクリスマスモード。
この時期、絵本や可愛らしい小説集よりも売れるものがある。
図書カードだ。
自治体児童会などのプレゼントで500円分や1000円分、孫や甥っ子への贈りもので5000円分が多く売れる。
大量注文は早めに予約してくれるけど、孫の数分くらいはいきなり来る。
その場でお客様をお待たせして包装すると一人一人時間がかかるから、この時期は前日か開店前に10枚ずつくらい包装しておく！どうせクリスマスの包装用紙で決まりだし。
6年目書店員の知恵を褒めてほしい！
よし終わり！
コートを羽織ってマフラーと耳当てをつける。
冬は好きだけど寒いのは苦手。
ふわふわのニットやコートを身につけること含めて冬が好き。
挨拶をして、バックヤードを出る。
『あ、高橋くんいた。おつかれさま〜』
TK「ははっ、遠くからチェブラーシカが歩いてくると思ったら、Aさんだった。」
『ちぇ、チェブラーシカ？』
TK「耳当て、めっちゃ大きいですね。」
あ、これか。3月に冬物一掃セールで買ったお気に入りだ。
……大きい方があったかいと思ったんだけど。
『これレジ裏に置いといて。
明日の分だから！今日はもう混まないと思うからその場で包んでね！じゃーねー』
店を出て駅までの道を急ぐ。
こんなに寒いなら雪が降ってくれたらいいのに。
『よし夜ごはんはセブンのおでんにしよう。』
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作者名：すずな | 作成日時：2023年11月20日 16時
