マフラー。 ページ12
WN side
眠い。眠すぎる。悶々としてて気がついたら朝だった。
「ウォヌさん、、、ウォヌさん！」
「あ、はい！！」
やばい。スタッフさんに呼ばれたの気づかなかった。
集中しなきゃ。
背後に鋭い視線を感じると思ったらホシだ。あれは虎だ。
とりあえず集中して早く終わらせることが最善だ、ウォヌ。
眼鏡を拭いてかけ直して前髪を整える。
HS「やー今の動線なんだけど...」
なんとか一通り終わった。昼飯を食べたあとに微調整をする。もちろん完璧な時間を来てくれたファンのみんなと過ごしたいから全力でやる。
微調整の方が長い日もあるから出来るだけ早く終わることを願う。あぁ、神様仏様、ホシ様ウジ様。
SVT「おつかれさまでしたー！明日もよろしくお願いします！」
現在時刻4時半。
マネヒョンに断って、一人でタクシーを拾う。
急いでいて、横目で見たユンジョンハンがニヤニヤしていた気がするのは気のせいだろう。
5時に本屋の前に着いて、鞄に入れたメモを取り出す。
今日も出勤してるかも、何時に退勤かもわからない。
でも、今日にかけてみたい。
「そんな上手くいくわけないか...笑」
昨日、日本語のテキストを引っ張りだして覚えた文言を小声で何度も練習する。
30分くらい経っただろうか。夕方になるとだいぶ冷え込む。上着は持ってきたけど、ちゃんとジャージを着替えてきたらよかった。
『...ひぃ、寒』
どんなに小さくても絶対に聞き逃さない声が聞こえた。
目線をあげるとマフラーを巻こうとしてる彼女がいた。
あれ目が合った。
『あ、え、あの、昨日の...?』
WN「とつぜんすみません。これ、、、れんらくさきです！！
れんらくをくれたら、うれしいです！」
勢いで言ってしまった。言えてただろうか、聞こえてただろうか。
『あ、あ、ありがとうございます...失礼します...!!』
彼女は走って店内に戻ってしまった。
ありがとうって言ってたよな...言ってたよな...
顔真っ赤になってた。寒いからかな。もしかして、俺のせいだったりしないかな。
「...くぅー、かわいかった」
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作者名：すずな | 作成日時：2023年11月20日 16時
