栞を挟むように。〈WN〉 (ページ2)

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11時。ページ2

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JH「日本橋に4階もある本屋さんがあるらしいからそこに行きたいんだけど、日本橋は東京駅と近いらしくてこの時期の東京駅のイルミネーションはとっても綺麗なんだって！ほら！」

タクシーでジョンハンが今日の計画を一生懸命説明してくれている。SNSで見つけたらしいイルミネーションの写真は並木道がまるでケーキに乗せるアラザンを撒いたかのように綺羅綺羅と光っている。クリスマスシーズンや週末は混雑するらしいが、11月の平日の夜ならゆっくり写真が撮れそうだ。

「綺麗だね。でも、イルミネーションって夜なんじゃないの？」

今はまだ11時だ。

JH「あ、、、」

やっぱり時間のことをすっかり忘れていたらしい。

JH「そっかぁ、夕方からお出かけでよかったのか。ごめんウォヌ、もっとゆっくり眠れたのに。」

めずらしくしょんぼりするジョンハン。海外に行くとよく出かけるジョンハンは俺のこともよく連れ出してくれる。飛行機や人混みが苦手な俺を心配して、気を紛らわしたり土地に慣れるために考えてくれているのだろう。いつも悪戯ばっかだけど誰よりもメンバーのことを見てて優しい。

「ヒョンも俺も体力ないんだから、ホテル帰って本読んだり他のメンバーとご飯食べたりして、日が暮れてから観に行こうよ。」

JH「アイゴ、ウォヌ～お前はいいやつだな～」

いつものきゅるきゅるとした笑顔に戻った。

「ほしい本は決まってるの？」

JH「うん！3冊くらいスクショを撮ってきたから大丈夫！文学は3階に置いてあるんだって。」

ジョンハンはいつかジェジュン先輩のように日本のバラエティで活躍することが夢らしい。それに向かって、会話だけじゃなくて、ドラマや本にも興味を持つ姿はカッコいい。

その本屋で運命の出会いをすることをこのときの俺はまだ知らない。