◇ ページ10
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Aは鼻歌を歌いながら街を歩いていた。
とても軽い足取りで教えられた住所までやってくると、迷うことなくその扉をノックする。
数秒後、どこか諦めたような表情のショッピが顔を出す。そのショッピを見て、Aは良かったと安堵を隠して笑った。
「迎えに来たよ！」
――あの森の夜から一週間。
グルッペンは一通り説明を終えるとショッピに決断を迫った。しかしその場で答えることが出来なかったショッピに、一週間だけの猶予を与えることにしたのだ。
そして今日が、その一週間後である。
「迎えに来たってもう答え決まってるみたいじゃないですか」
「決まってないの？」
Aの言葉に苦笑いを返しながら、ショッピは奥に置いていた大きな荷物を取り出した。
それを見たAの笑みは自然と深くなっていく。それは仲間が増えた喜びなのかは置いておくとして、確かにAは今、喜んでいた。
大きな荷物は二つある。
ショッピは両手に荷物を抱えながら、Aの横を歩いた。
――家は既に売り払い済みだ。
「Aさん」
「はーい？」
「ほんまに俺に能力とかあると思います？」
「あるよ！私見たもん！」
「でも、俺はそれを使えないんですよ」
「大丈夫大丈夫！」
根拠の無いように見えるAの励ましに、しかしショッピは安心感を得た。にっこりと可愛らしく笑うAを横目に進む足は止まらない。
「私もね、能力無いかもしれないんだー」
「え、そうなんすか」
「確実にないのはグルッペンだけなんだけど」
「……わかんないんですか」
「うーん……？私もねシッマみたいな感じでね？不死身ではないと思うんだけどよくわかってないんだ」
だから大丈夫！とショッピを見上げて笑う。明るいその声と表情に哀愁は漂っていなかった。どこか軽くなる足取りに楽しくなってきたのがわかる。それもそうだ、今日から新しい仲間が増えるのだから。
んふふ、と笑いながらショッピの隣を歩いて、しかしどこか巫山戯たように大袈裟な歩みだった。
ショッピはそれを微笑ましそうに眺めながら、これからのことを考えた。
「あ！あと怖い人いないからね！安心してね！」
「それはなんとなくわかってます。助けてもらってますし」
「んふふぅ」
ご機嫌よく笑うAはとても楽しそうだ。
ショッピにとって一週間ぶりとなる大きな洋館に、今度は戸惑うことなく足を踏み入れた。Aはその様子を見てまた嬉しそうに笑って、ようこそ！とショッピを歓迎した。
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うみ - 表現の仕方とか大好きです！ついつい読むのに熱中しちゃいます。これからも頑張ってください！！ (2019年10月27日 0時) (
レス) id: c63ddd2bb5 (このIDを非表示/違反報告)
雨の止まない街(プロフ) - 初コメ失礼します。皆さんの能力設定好きです。陰ながら応援しておりますので無理をせず更新していって下さい。コメント、評価に関してはとても同感です^^ (2019年10月19日 16時) (レス) id: 73a1ddffb6 (このIDを非表示/違反報告)
うにゅ@最近某戦争屋さんにハマった(プロフ) - コメント失礼します！、私は正直語彙力のなさから上手くは言えないのですが、評価やコメントを欲しいって思ってもいいと思います！、褒めて伸ばすって言葉もあるくらいですから！、もしかしたらこの作品をあまり好きじゃない人もいるかもしれないけど、私は大好きです！ (2019年10月16日 7時) (レス) id: aa182fc6be (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - 桜藍さん» コメントありがとうございます。頑張って設定を考えたのでそう言って頂けるととても嬉しいです。慣れない書き方をしているのでおかしいところだらけですが.......。能力も今後明らかにしていきますのでお楽しみください。ありがとうございます。 (2019年10月15日 20時) (レス) id: 7f43ca59ce (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - 紫陽花さん» コメントありがとうございます。彼が主人公に選ばれた理由は単純にツイッターアンケートと作者の書きやすさからですが楽しんでいただいてるようで何よりです。これからも更新頑張りますのでよろしくお願いします。 (2019年10月15日 20時) (レス) id: 7f43ca59ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：作者 | 作成日時：2019年10月13日 0時
