◇ ページ21
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――夜、全員の集まった食堂にて。
重々しい雰囲気を纏わせるグルッペンに影響を受け全員――一部除く――が息を呑んだ。
弄ぶようにクルクルと回していたワイングラスの中は、ゆらゆらと楽しそうに揺れている。ふと、グルッペンがその手を止めた。そして全員の顔をゆっくりと見て、息を吸う。
「新しい異形が発見された」
グルッペンのこの言葉に、ショッピだけが息を止める。他の面々は予想していたからかやっぱりか、と全体に広がっていた重たい空気は消え去ってしまう。それに、ショッピは混乱せずにはいられなかった。
あの日――ショッピがここにやってくるきっかけとなったあの日。確かにショッピは異形が危険で存在してはならないものだと聞いた。だからこそ集まって戦いに出ているのだと。それなのにこの空気はなんだろうか。
はじめは重々しい空気を醸し出していたグルッペンでさえどこか楽しそうに笑みを浮かべている。
「あ、あの」
「どうした？」
ショッピが口を開くと返事をしたのは一番遠い場所に座っているグルッペンだ。やはりその口元はとても楽しそうに歪んでいる。
「……なんでそんなに気楽そうなんすか」
「今に始まったことじゃない。それに話に聞けばそこまで相手も強くないそうだ」
「でも、異形って、」
「言いたいことはわかるけど、大丈夫やで」
トントンは理解が追いついていないショッピに優しく声をかける。
声をかけられたショッピは困惑したままトントンに目を向け、説明を求めた。しかし、トントンが口を開く前に大丈夫だと元気に口を挟んだのは、楽しそうな雰囲気を醸し出しているAだった。
なぜそんなに楽しそうなのか、ショッピが聞こうとするがこれまた遮られてしまい聞けずにいた。
「オスマンとエーミールによればまだ異形となったばかりらしい。つまり弱い。だから今回は腕試しも合わせてショッピくんにお願いしようと思う」
「……は、」
「大丈夫だ。サポートとしてゾムとAも一緒にいる」
「いや、」
そういう問題じゃない。
「ショッピくんの初仕事やな！」
「他のメンバーはここに待機してるけど応援してんで」
「ショッピくん頑張ろうね！」
いやだから、そういう問題じゃない。
あれよあれよと話は進みショッピの意見は聞かれることなく――むしろ発言さえ出来なかった――明日の夜、ショッピの初仕事が決まってしまった。
笑顔で親指を立てているAがショッピの視界に入る事により少し苛立ってしまったのも、仕方の無い話だった。
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うみ - 表現の仕方とか大好きです！ついつい読むのに熱中しちゃいます。これからも頑張ってください！！ (2019年10月27日 0時) (
レス) id: c63ddd2bb5 (このIDを非表示/違反報告)
雨の止まない街(プロフ) - 初コメ失礼します。皆さんの能力設定好きです。陰ながら応援しておりますので無理をせず更新していって下さい。コメント、評価に関してはとても同感です^^ (2019年10月19日 16時) (レス) id: 73a1ddffb6 (このIDを非表示/違反報告)
うにゅ@最近某戦争屋さんにハマった(プロフ) - コメント失礼します！、私は正直語彙力のなさから上手くは言えないのですが、評価やコメントを欲しいって思ってもいいと思います！、褒めて伸ばすって言葉もあるくらいですから！、もしかしたらこの作品をあまり好きじゃない人もいるかもしれないけど、私は大好きです！ (2019年10月16日 7時) (レス) id: aa182fc6be (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - 桜藍さん» コメントありがとうございます。頑張って設定を考えたのでそう言って頂けるととても嬉しいです。慣れない書き方をしているのでおかしいところだらけですが.......。能力も今後明らかにしていきますのでお楽しみください。ありがとうございます。 (2019年10月15日 20時) (レス) id: 7f43ca59ce (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - 紫陽花さん» コメントありがとうございます。彼が主人公に選ばれた理由は単純にツイッターアンケートと作者の書きやすさからですが楽しんでいただいてるようで何よりです。これからも更新頑張りますのでよろしくお願いします。 (2019年10月15日 20時) (レス) id: 7f43ca59ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：作者 | 作成日時：2019年10月13日 0時
